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56話 普通に辛くて、さっそくキレ散らかしていく命の王。


 56話 普通に辛くて、さっそくキレ散らかしていく命の王。


「無駄なおしゃべりをしているヒマがあるなら、経験値の割り振りに着手した方がいいんじゃないのか? ダラダラしていると、今日中に終わらないぞ」


「……普通に考えて、今日中に終わる作業量じゃねぇんだよなぁ……だから、もう、未来の俺に後回ししようかなぁ、とか考えているけど、問題ないよな? うん、ないな」


「もし、『十席に殺される回数』を『最小に抑えたい』と思っているのであれば、なんとしても今日中に終わらせるべきだと思うぞ。貴様も敵も最大まで強化された状態で経験値稼ぎを行わなければ非効率」


「……はぁ……」


 センは、深いため息をついてから、


「……効率厨にかされながらの作業ゲーとか……もう、ほんと、ただの地獄……」


 ぶつぶつ文句を言いながらも、センは、経験値を割り振っていく。


 その途中で、ハスターが、背後から近づいてきて、


「……センエース、契約の時間だ」


 と、前置きもなく、そう言った。

 そんなハスターに、センは、視線を向けることなく、


「今、3回目。忙しいから、話しかけるな。以上」


 その、あまりにも雑な態度に対し、

 ハスターは、


「……どうやら、タイムリープは問題なく成功したようだな。しかし、たった3回で、ここまで――」


 と、普通に話していると、そこで、センが、


「うっさぁあい! しゃべんなぁっつってんだろ!」


 かなり気がたっているのか、ちょっとしたことでキレ散らかす。


 心底からのしんどさを全身であらわし、貧乏ゆすりしながら、

 センは、十席たちのステータスを、たんたんと上げていく。


 と、そこで、センさんが『世界で一番嫌っている天才』がひょっこりと顔を出して、


「タイムリープ、どうやった? うまいこと――」


「じゃかぁあしぃい!! お前も、二度としゃべんなぁあああ!」


 と、叫びつつ、

 田中の数真と、経験値データを連動させる。


「マジで忙しいから、獲得した経験値の量とかは、てめぇらで勝手に確認しろぉ!」


 雑にそう叫んでから、

 センは、また、十席のステータスアップにいそしむ。


 かなり気がたっているセンの向こうで、

 ハスターと田中が、


「……今、三回目らしい」


「三回目で、こんな稼いだんか……えぐいな……まあ、その分、精神の壊れ方も、なかなかの進みようやけど。たった三回で、あんななる?」


「よほど、十席に殺されるのがしんどいと思われる」


 などと、井戸端会議をしている二人にイライラしつつも、

 センは、黙々と、十席のステータスを上げ続けた。

 自分をあわせて、全部で26人分の『大量の経験値』をさばいていかないといけないので、時間に余裕がない。

 夜までぶっ通しでやって終わるか終わらないかといった作業量。


(これ、もしかして、今後、毎回、『夜まで経験値振りして、夜に殺されて』って感じの流れを、休むことなくずっと、500億回、繰り返し続ける感じ? ……すごい地獄だな……なんで、俺、こんな罰をうけてんだ……どうなってんだ、マジで……)


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