39話 やることが多い、命の王。
39話 やることが多い、命の王。
「全力でセンを止める! フォーメーションTをKで運用!! ワシに全部をよこせ! 何がなんでもこいつを止める! セン! 悪いが、両手両足をもらうぞ!」
「だから、俺を止めたかったら俺を殺せっつってんだろぉおお! 首だけになっても、俺は動き続けるんだよぉおお! 田中を殺すまではなぁあああああああ!」
そう叫びながら、
センは、全力全開で暴れ続けた。
神話生物研究会の面々は、カンツを中心としたフォーメーションで、必死になって抗い続けた。
その中で、センは、彼らが所有しているコスモゾーンレリックの何体かをハスターに捕食させ、ハスターの強化をはかる。
と、同時に、『疲れてきた演技』も挟んでいく。
(今の力量差だと、ハスターが強すぎて、こいつらに殺されることは出来ない……どうにか、生命力を抑えて、殺されにいかないと……あと、カンツの精神リミッターも解除しないとな。最初から予想できていたが、カンツの野郎、この期におよんで、まだ、俺を抹殺ではなく『制圧』しようとしていやがる。バカなヤツだ)
カンツは、身内に甘い。
センエースほどではないが、『センエースを彷彿とさせる性格』をしている彼は、『弱い命』を、そう簡単に切り捨てることが出来ない。
(とりあえず、テキトーなタイミングで、田中をガチで狙う。そうすることで、カンツの精神リミッターを外し、俺にとどめをささせる……なんか、やること多いし、普通にミッション難度が高くて、ムズいな、ちくしょう……)
色々なところに配慮しつつ、
表層では、ずっと、サイコを続けている。
田中に対する殺気。
十席に対する手加減。
もろもろを踏まえて、いろいろと下地を積みきったところで、
ついに、運命の時がやってくる。
(ここだ……カンツ、迷うなよ。迷ったら、田中が死ぬぞ。俺は、最悪、田中が死んでもいいという構えで突撃するからな!)
覚悟を決めて、センは、
「くそったれがぁああああ! こうなったら、道連れだぁああああ! 田中ぁあああ! 俺は死んでも、お前を殺すぅうううう!!」
そう叫びながら、
センは、神話生物研究会の面々の防御網をくぐりぬけて、
田中に、必殺の一撃をかまそうと特攻。
「セェエエエエンッッ!」
止めようと突撃してきたカンツ。
カンツは、頭の中で、色々と悩んでいたようだったが、
しかし、最終的には、
「ぐふっ!!」
センの心臓部を貫いた。
「あ、甘いんだよ……この程度で……俺が……死ぬかぁ!」
そう叫びながら、センは、止まらず、
田中の首めがけて、ハスターソードを振り下ろす。
そんなセンの腕を、カンツが、グチャリともぎとる。
腕と一緒にハスターソードを落とすセン。
センは、
「別に、手にもってなくても、ハスターとの契約効果は消えねぇぇぜぇええ! はっはぁああ!」
と叫びながら、
まがまがしいナイフを召喚し、口にくわえて、
「ぐぅがげっげん(龍牙一閃)!!」
執拗に、徹底的に、田中の命を狙おうとするセン。
どうにか、力づくで、殺さずに止めようとするカンツだが、
しかし、センは、どうしても止まらない。




