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17話 トウシとセンエースと蝉原、狂気のズッコケ三人組。

コミカライズ版センエース、

10話配信記念のイベントとして、

一日10話投稿を実行中!


本日の7話目!


 17話 トウシとセンエースと蝉原、狂気のズッコケ三人組。


「カミノの世界には、お前の因子を持つ存在が二体いる。バンプティとシャインピース……どっちを使う?」


「せっかくだし、シャインピースの方を使うよ。ヌル……田中シャインピースに、もっと、トウシの因子をぶちこんでくれる? というか、いっそ、田中シャインピースを本物のトウシにしてくれ」


「……いいだろう」


「あと、できれば、事前に事情を説明しておいてほしいね。抵抗されると厄介だ。本物のトウシの場合、俺を『はぎ取ってしまう可能性』もゼロじゃない。あいつにも、本気で協力させた方が、間違いがなくていい。余計な手間は省いて、確実最短な道で行きたい」


「……トウシは、俺の中で、一連の出来事を、すべて、ずっと見ていた。あいつはバカじゃない。説明は必要ない」


「俺がいう『余計な手間をはぶく』ってのは、口で説明するだけじゃなく、トウシにジュリアを返還してご機嫌をうかがうことも含まれているんだよ。返しておけ。そうじゃないと、何をしでかすか分からない」


「……ジュリアは、『超苺の中』に保管しておいた。つまり、今、蝉原の中にある。あいつを殺さないと、回収はできない」


「全部を返せないのは知っている。俺はバカじゃない。女の管理を超苺に任せているとはいっても、ジュリアぐらい大事なフラグメントの一部は、『覚醒値を底上げするため』に一部保管をしているだろう。今、お前がもっているジュリアの全部を、とりあえず、トウシに預けろと言っている。トウシには全力で働いてもらう。そのためには、誠意を示しておいたほうがいい」


「……」


 黙ったまま、ヌルはスっと目を閉じた。


 と、そこで、

 ヌルの中から、

 トウシの因子が這い出てきて、

 実体を持ち、ヌルの前に立つ。


 トウシは、まっすぐな目で、


「……ワシの女を返せ」


 強い言葉を使う。

 だが、弱そうには見えない。


 そんな彼に、ヌルは、


「……8になれなくなっちまうよ」


 と泣き言を口にするが、

 トウシは、


「お前の中に残った『ワシの一部』が、全力で、おどれを支えたる。そうすれば、ジュリアの可能性を使わんでも、8になるぐらいやったら問題ない」


「ずっと抵抗していたくせに、ここからは、本気で、俺の下地になるって?」


「ああ。全部、完璧にやったる……せやから、返せ。ワシの女を、いますぐに」


「俺の中でも全力で縁の下の力持ちをやって、カミノが創った世界の中でも、センエース相手に、ナイアを抱えながら全力で闘うって? 大変だねぇ。たかが女一人のために、そこまでするとは、本当に変わったやつだな、お前」


「誰が言うとんねん。……てか、さっさと返せ。そうやないと、マジで、ワシ、なにするかわからへんで」


「はいはい。そんなに目を血走らせなくても、お前が本気で協力してくれるなら、ジュリアの因子ぐらい返してやるさ。あの女が『ドデカい可能性の塊』であることは事実でも、流石に、お前と比べたら小さいからな」


 そうつぶやいた直後、

 ヌルの中から、淡い光がこぼれて、

 その光は、迷いなく、まっすぐに、

 トウシの中へとおさまっていった。


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