14話 お前が決めろ、1002号。
コミカライズ版センエース、
10話配信記念のイベント開催!
一日10話投稿の4話目!
14話 お前が決めろ、1002号。
「テラスの因子なら蝉原と一緒にパクられた。助けたかったら、センエースを完全体にして破壊衝動ごとブチ殺すしかない。というわけで、お前には、ヌルの経験値になってもらう。『お前を経験値にして膨らんだヌル』を食らったセンエースが、蝉原をも飲み込めば、ほぼほぼ確実に『純粋結論』に届く。そうなれば、大体のことはハッピーエンドになる。というわけで、おとなしくヌルに食われろ」
「……」
「まさか、抵抗する気じゃないだろうな? テラスを助けたいんだろ? それだけが目的なら、お前の意識とかいらんだろ。お前が肥料になれば、テラスをすくえる。狂愛のアリア・ギアスを背負ったお前が、まさか、自己保身に走るなんてことはないだろう――」
と、そこで、ヌルが、
「自己犠牲の強要ほど見ていられないものはないな」
「……おいおい、てめぇはどっちの味方だ、ヌル」
「お前の味方だとでも思ったか? ありえないだろう。現状、俺は、お前の支配者で、1002号は、元俺の配下である蝉原が回収してきた質の高い経験値。この場の3者の関係性は、それだけだ。俺だけがマスターで、お前らはポケ〇ンにすぎない」
「ああ、そうだな。で、だからなんだ? お前の支配下にある道具の一つとして、お前の命令にしたがい、健気に、1002号を説得している俺を、安い言葉で侮辱してきた理由はなんだ?」
「1002号を封印させることは求めたが、それ以上のことは求めていない。ひっこんでいろ。あとは俺がやる」
「あーそー、じゃあ、御勝手に」
そう言って一歩後ろに下がるソル。
それを尻目に、ヌルは、1002号に、
「お前が決めろ。1002号。どうやって、テラスを助けたい?」
「……なんで、ザンクさんの決断を重視する?」
「うぬぼれるな。重視なんかしていない。ただ、『センエースの超絶劣化版』でしかない俺より、『オリジナルを超えた、田中の2番手』であるお前の方が賢い。本気で『より良い結果』を求めるなら、俺よりも、お前に陣頭指揮をとらせた方がいい。つまりは、ただの合理的な判断。事実として、テラスを救うためには、蝉原を殺す必要がある。そして、破壊衝動を飲み込んで完成した蝉原は、おそらく、そこにいるソルDPよりも大きい」
そこでソルが、
「俺よりも大きい、とか、そんな次元じゃないだろうな。破壊衝動も、『純粋結論』を求めるはずだから。蝉原はクソ野郎だが天才だ。破壊衝動のバックアップがついた蝉原なら、アンサーに届く可能性は十分にある」
その言葉にかぶせるようにして、ヌルが、
「どうやら、蝉原は、俺らが思っているよりも大きく膨らみそうだ。……それらの前提を踏まえた上で、1002号、お前なら、どうやる? 完全覚醒を果たした蝉原を確実に殺すためには、どういう作戦をとるべきだと思う?」
「……」
色々と考えたすえに、
「ザンクさんは……残しておいた方がええと思う。これから先のことを考えたら、ザンクさんの経験値は、ぶっちゃけ、大したことないから。普通に、コマの一つとし運用しておくべき」




