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7話 終わらないエンドロールを眺めながら。


 7話 終わらないエンドロールを眺めながら。


 蝉原は、嗜虐的な笑みを浮かべ、


「ちょっと、ちょっと。え、マジで、究極超神化3が限界? そんなショボい有様で、よく、あれだけ大きなことを口に出来たねぇ。あんた、ゴミじゃん」



「――異次元砲」



 蝉原が喋っているスキをついて、

 ソルは、そこそこの威力の異次元砲を放ってきた。


 蝉原は、ヒョイと、それを回避して、


「これが、破壊衝動ソルの実力か? はっ、ガッカリだよ。『理性ソル』たちがビビッていたから、どれだけ厄介なのかと思っていたけど……まさか、こんなに弱いとは、夢にも思っていなかったよ」


 最後に、感想を述べてから、

 右手をソルに向けて、


「悪いけど、あんたみたいなカスの相手をしているほど、俺はヒマじゃないんでね。死んでなよ。…………異次元砲」


 極悪な威力の照射を放った。

 情け容赦ない一手。


 凶悪なビームにさらされて、

 ソルの体は跡形もなく吹っ飛んでしまった。


 こうして、蝉原は、ラスボスである『破壊衝動ソル』を倒してしまいましたとさ。


 めでたし、めでたし。



 ★



「さて、と……ここから、どうやって出るかな……」


 ソルを撃破した後、

 蝉原は、このソウルゲートから出る方法を模索していた。


 10分ほどかけて、出口を探してみたが、

 特に、それらしきものは見つからなかった。


 ゴテ〇クスよろしく、『高次エネルギーで、空間に穴をあけてやろうか』と頑張ってみたりもしたが、この空間は、えげつないほど強固で、ヒビの一つも入ってくれなかった。


「まいったねぇ……これ、ほんと、どうやって出ようか……」


 と、悩んでいると、


「ん?」


 蝉原は異変に気づく。


「あれは……なんだ?」


 この空間の奥の方に、何か、黒く蠢くようなモヤモヤが出現していた。

 秒で距離をつめた蝉原は、じっくりと、その黒いモヤモヤを観察する。


「出口……ってわけではなさそうだな……これは……なんだ……?」


 と、首をかしげつつ、

 蝉原は、その黒いモヤモヤに触れてみた。

 すると、


「どっぎゃぁあああああっ!」


 『ものごっつい静電気』……と言えば、多少はイメージできるだろうか。

 激しい『精神的負荷』の衝撃で脳が揺れた蝉原。


「……おいおい……なんだ、今の……まるで……サイコジョーカーみたいな……」


 と、そうつぶやいた直後、

 蝉原の脳裏を、イヤな予感がよぎる。


「……違うよねぇ……まさかとは思うけれど……まさか、この空間全体が、ソルが言っていた『特殊仕様のソウルゲート』に『浸食されていっている』とか……そういうんじゃないよね? はは……違うよね、そりゃ。当然、違うさ」


 『そうであってほしくない』という強い願望。

 現実から目を背ける蝉原。


 しかし、黒いモヤモヤは、無慈悲に、どんどん大きくなっていく。



「ちょっと、待ってくれ……ちょっと……本当に、待ってくれ」



 蝉原はバカじゃない。

 むしろ、かなり賢い方。


 だから、予測できてしまう。

 今の自分の状況。


 ここから何がおこるのかを、蝉原は、正確に予想できてしまう。


「勘弁してくれぇえええ! マジでかぁああああ! 本当に、最低でも320億年間、ずっとサイコジョーカー?! 嘘だろ?! 本当に、嘘だって言ってくれ! 頼むからぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」


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