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5話 『時のオカ〇ナ』を5分でクリアするのと同じ。


 5話 『時のオカ〇ナ』を5分でクリアするのと同じ。


「本来の10倍以上の修行時間が必要になるし、軽いサイコジョーカーがずっと続いているような感じになるから、想像の斜め上の地獄をとことん味わうだろうが、センエースを倒せるなら、その程度の無間地獄は許容範囲だろう」


「32億の10倍……つまり、320億年もの間、ずっとサイコジョーカーに耐えろって? は、はは……ちょっと、何言っているか、分からないなぁ……それって、俗にいうところの、無間地獄ってやつじゃないかな?」


 そんな、普通にビビリ散らかしている蝉原に、

 ソルは続けて、


「貴様の精神力では、サイコジョーカーに耐えることも不可能。不可能な苦悩を、不可能な時間、受け続けることになるわけだから、当然、その間、とんでもない回数の、精神崩壊と強制再生を繰り返すことになる。破壊と再生による魂魄の無限超回復だけが、センエースを超える唯一の手段。想像を絶するとんでもない苦行だが……まあ、センエースを超えるためだから、それも仕方ない」


「いや、『仕方ない』の一言ですませないでくれ。あまりにも他人事すぎる。……って、ちょっと待ってほしい。え、本当に、それを、俺にやらせる気? サイコジョーカー、320億年の刑? ……まって、まって。俺は悪人で、普通に悪いことをしてきたけど、それほどの罰を受けるような犯罪者ではないよ? 流石に勘弁してくれ。いや、ほんとうに、マジで、お願いします」


 下手したら、土下座してしまいそうな勢いで、

 『容赦ようしゃ』をカツアゲしていく蝉原に、

 ソルは、たんたんと、


「ちなみに言っておくと、320億という数字は、『理論上最速の値』だ。『時のオ〇リナ』は理論上、5分以内でクリアできるわけだが、そういう意味での『最短』が320億年だ」


「……時オカ5分クリアは、完璧な知識を持った上で神業バグ技を駆使しまくった異常タイムだ。普通なら時オカのクリアには、20時間以上は余裕でかかるのだけれど?」


「つまりは、まあ、そういうことだよ、蝉原勇吾」


 真っ青な顔になる蝉原。

 時間が経ち、理解度が増すにつれて、どんどん、顔色が悪くなってくる。


(い、今のソルの発言が全て事実だとすると……ここから俺は、『常時サイコジョーカー状態』で、へたしたら1000億……最悪、2000億でも、3000億でもあり得る時間地獄を彷徨うってことか? ……俺が……こいつの器としてふさわしい領域に到るまで……最上級の地獄を、感情的にはほぼ無限に等しい時間……延々と……は、はは……)


 勘のいいガキである蝉原さんは、これからの自分に待ち受けている『地獄の精度』を、リアルに想像してしまう。

 クラっとして、フラっとして、眩暈におそわれる。


(……冗談じゃねぇ……俺は確かに悪人だが……そこまでの地獄に落ちる筋合いはない。センくんに勝ちたいと思っているのは事実だけれど、さすがに、それとこれとは話が別だ。センくんに勝つためなら、俺は確かに、基本的に、何でもする構えだが、それは、あくまでも、『非常識の範疇』の話。『センくんに勝つためなら無間地獄に落ちてもいい』とは思わない。それは、『非常識の範疇』の『外側』の話だ――)


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