63話 積んで、積んで、積んで、積んで……
63話 積んで、積んで、積んで、積んで……
「……存在値にして……7500兆。なかなかの数字だと思わないか?」
「思うねぇ。……EXレベルだけで、存在値を、そこまで上げられるとは……そうとうなチートだよ。すごい、すごい」
「もちろん、ここで終わりじゃないぞ。ここからが本当の地獄だ」
そう言い切ってから、
グっと腰を落とし、
「――アスラ・エグゾギア‐システム、起動!!」
宣言すると、
『ゼンゴート・ソルDP』の全てが、『殺戮の神』に包まれた。
この世の全てを殺さんとしている、狂気的な威容。
「さらにぃ! 閃・零・融・儀!!」
『ハイドラエグゾギアシステムを起動させたP型センキー・ゼロオーダー』と、『ミラージュフォルムのフッキ』を特殊召喚し、エグゾギアの強化パーツとしてドッキングする。
グニャリと、両者の互いの魂魄が歪みをみせた。
一度だけ、世界が静かになって、
蒼よりも碧くまたたいて、
そして、その歪みは、
次第に整地されていき、
いつしか、一柱の、輝く『殺神』となる。
アスラシリーズの特徴である、ギラギラした凶悪なフォルムと、
ハイドラシリーズの特徴である、奇形の禍々しさが几帳面に調和していた。
「さぁらぁにぃいい! 来るんだ、DP型ルナ・センエース!!」
特殊カスタムが施された『携帯ドラゴン』を召喚すると、
「天理の翼!!」
飛行ユニット化させるオーダーを発令。
凶悪な性能を誇る翼として、ソルDPの背中で、眩く、光り輝く。
「まだまだあああ! 開けぇえ、殺神遊戯モードォオ!」
強化モードを使用。
稼働時間が極端に短くなってしまう代わりに、
スペックが爆発的に上昇する積み技『殺神遊戯モード』。
ソルDPの加速はまだ終わらない。
「開けぇええ、天影太陰モードォオオオ!」
宣言の直後、エグゾギアが深い粒子に包まれる。
そして、
周囲に山ほど出現したジオメトリから、
『暗黒のオーラを放つソルDPの影』が出現した。
8体の天影は、静かに、天を見つめていた。
一度、軽く深呼吸をしてから、
その8体+ソルDPの全員で、
一斉に、
「「「「「「「「「オーラドール・アバターラ・セラフデス」」」」」」」」」
異次元カスタムをほどこした最高峰の分身魔法を使用。
結果、そこには、強大な力を持つ180体の、ゴートが出現した。
その180体のソルDPは、
出現すると同時、一斉に、右手を天に掲げ、
「「「「「「「「「「「「「「「「開け、烈空閃光モード」」」」」」」」」」」」」」」」
宣言と同時、
180体のソルDPが、鋭い閃光に包まれる。
見つめるだけで脳震盪をおこしそうなほどの強い発光。
全ての夜を閉じ込めてしまいそうなほどの輝きは、
いつしか、パァっと散っていった。
――光が晴れた後に残ったのは、
重たいオーラに包まれた『独り』だけ。
全ての天影とオーラドールを飲み込み、
存在値を爆裂に底上げ。
ここまでやっておきながら、しかし、まだソルDPは止まらない。
「そしてぇえええええ! オーバードライブ・サイコジョォオカァアア!!」
激しい精神負荷がかかるかわりに出力が大幅に増大するシステムを起動。




