表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
865/1228

40話 無崎の因子。


 40話 無崎の因子。


 蝉原の鎖を解き放ったカミノは、『弟子たちをボコボコにしていく蝉原』を見ながら、


(……よし……計画通り……)


 と、黒い笑顔を浮かべていた。

 カミノの計画の要は、1002号と蝉原の二人。


 『強くなった1002号』と、『弟子を喰らい尽くした蝉原』のタッグを、ヌルにぶつけて、出来る限り、センエースを鍛えるための時間を稼ぐ。

 ――これが、カミノの作戦。


 蝉原と弟子を共食いさせることで、ヌルの戦力を根こそぎ減らすことが出来るという、一石で十鳥以上の利益を取ることができる理想の作戦。


 蝉原が、ヌルにビビらず、ちゃんと裏切ってくれるかどうか、

 そこだけが賭けだったが、

 カミノは、このギャンブルに勝った。


(蝉原では、いくら、弟子を喰らい尽くしたとしても、ヌルには勝てないだろう……だが、それでいい。ヌルと蝉原で、少しでも削り合ってくれれば、それで、こっちとしては十分。『完全な状態の蝉原』と『1002号』の両方を相手にすれば、流石のヌルさんと言えど、疲弊は免れない。あとは、疲弊したヌルを、『完成したセンエース』が処理すれば……世界の脅威は終わる。ヌルという『壊れた破壊衝動』を処理して、俺はニコトピアを取り戻す。……それで、ハッピーエンドだ)


 1002号や元主人公たちのサポートもあり、

 蝉原は、サクサクと、弟子たちを殺していく。


 弟子たちは、言うまでもなく、全員、それなりに強く、

 ゆえに、当然、普通に苦戦した……ものの、

 しかし、結果的には、


「ぐ……くそったれっ……くそったれぇええ!」


 ボロボロのデビナは、最後に憤怒を叫びながら、蝉原に突貫した――が、蝉原は、


「前陣速攻のパワータイプは、同格同士の闘いでは、そこそこ有用だが、俺とお前ぐらい存在値に差があると、『もっとも処理しやすいザコ』でしかないな」


 デビナの攻撃をさらっと回避して、

 彼女の首に、ザクっとカウンターを入れていく。


 バキリと、首をへし折ってから、


「もらうぞ、デビナ」


 ペロリと、デビナを丸のみしていく。

 デビナを奪い取った蝉原はさらに大きくなっていく。


 現状、弟子チームで残っているのは、

 酒神と、超苺と、クロートだけ。


 マリと12345とアズライルとアルブムはすでに食われている。


 壊滅状態を目の当たりにしたクロートは、

 ギリギリと奥歯をかみしめながら、


「超苺! 酒神! あとは、お前らだけが頼りだ! 全力でサポートするから、どうにか蝉原を殺して、全員を奪い返してくれ! このままじゃ、陛下に顔向けできない!」


 蝉原の弟子――ヌルの配下の中でも、

 酒神と超苺は飛びぬけている。


 プライマルヒロインシリーズの酒神。

 『それなり』に無崎因子を持つ超苺。


 どちらも背負っているものがエグい。

 ゆえに、蝉原でも、この二人を処理することは難しい。

 そう思っていた時期が、クロートにもありました。


 しかし、


「――無崎の因子なら、俺も持っているんだよ。なんせ、『俺(蝉原勇吾)』は、『周囲の人間が無崎に抱いている印象』をベースにした『悪童』だから」


 センエースは、プライマルメモリの主人公たち全員のタスキを受け取った光。

 対して、蝉原勇吾は、プライマルメモリの暗部を煮詰めて仕上げた重たい闇。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ