34話 究極超神化8のバーゲンセール。
34話 究極超神化8のバーゲンセール。
「先ほどの1002号との闘いの中で、カミノにハックをかけて、クロートと超苺の因子を回収しておいたよ。これは、なかなか凄いことだと思うんだけど、それに関してはどう思う?」
そう言いながら、パチンと指をならすと、追加でジオメトリが出現して、その奥から、クロートと超苺が出てきた。
それを見ながら、カミノは、一瞬だけ、蝉原に触れられたことを思い出し、
「あの時にスったのか……気づかなかったな……」
と、狼狽している。
圧倒的な力を持つ1002号と闘いながらも、
カミノに一切気づかせずに、
二人の弟子を回収したという神業。
蝉原のスペックは、実際のところ、かなり高い。
これだけのすさまじさを見せられても、
しかし、弟子たちは、
『クロートと超苺を回収しているヒマがあるなら、陛下の封印にメスをいれろよ』
という意見で一致していた。
そんな彼らの冷たい視線に対し、
蝉原は、
「くくっ……君たちはブレないねぇ。君たちのような、忠誠心がカンストしている配下をもてて、陛下は本当に幸せだと思うよ」
などと、感想を口にしてから、
「さてと、それじゃあ、場も温まってきたことだし、本格的に、敵勢力を制圧していこうか。俺に対する感情はいったんシカト……することは流石に出来ないにしても、陛下のために、それぞれ、出来る最善は尽くしてくれ。よろしく頼むよ」
そんな蝉原の指令に対して、
弟子たちは、返事をすることはなかった。
が、即応はしてくれている。
蝉原の命令を聞いているのではなく、
あくまでも、この場をどうにかするために動く。
そんな明確な意思を示しつつ、
八方に展開していく蝉原の弟子たち。
それぞれが、精密な距離をとってから、
弟子たち全員が、一斉に、
「「「「「「「「「「――閃化――」」」」」」」」」」
ヌルが有するスペシャルの一つ。
絶対的精神的支柱の効果で、
弟子たち全員が、『センエース化』という特殊な変身状態に入る。
底上げされていくスペック。
さらに、弟子たちは、
「「「「「「「「「「――究極超神化8――」」」」」」」」」」
全員が、
命の限界を、軽々と超えていく。
もちろん、ヌルほどの限界突破した数値は誇っていないが、
ここにいる全員が、存在値3000兆を軽くこえている。
それを見ながら、
カミノが、
「おいおいおい……ほかの連中は知らんけど、クロートと超苺は、確実に、究極超神化7までしか使えなかったと思うんだが、なんで、そんな、当たり前みたいに、余裕で限界突破してんのかな?」
と、疑問符を投げかけると、
弟子を代表して、クロートが、
「俺達の力の元は、陛下の愛と献身にある。陛下が強くなれば、その分、俺達も、際限なく強くなれる。――陛下は積んだ。俺たちが問題なく『簡易版の8』になれるぐらい、必死に、ここで」
「……」
「その一点だけをとってみても、陛下のすばらしさが分かる。陛下は果て無く尊き御方。そんな陛下に逆らおうとしている貴様らは恥ずべき異端」
「……まあ、確かに、凄いっちゃ凄いんだけどな。そこに関しちゃ文句の言いようがない。……絶対的精神的支柱のレベルを、そこまで底上げできるとは……マジでハンパねぇ。おそらく、センエースと、田中トウシを喰らった経験値を、まるごと全部ぶちこんで、その上で、ここでの修行では、絶対的精神的支柱の強化に全ブッパした感じか……わかっているねぇ……さすが、センエースのコピー。賢くはないが、バカじゃない」




