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31話 『テラスを救うためなら何でもすると誓った覚悟』と、『内包しているセンテラスの因子』という二つの極限。


 31話 『テラスを救うためなら何でもすると誓った覚悟』と、『内包しているセンテラスの因子』という二つの極限。


 使えるものは全部使おうと、世界中、くまなく探しつくしたカミノは、1002号の可能性に目をつけた。


 『センテラス(センエースの異次元同一体)』を内包している1002号なら、センエースが使う『銀の鍵』の影響の範囲内におさめることができるのではないか。

 そう考えたカミノは、お得意のチートをフルブッパして、ちょこちょこっと、1002号をバグらせて、センエースが銀の鍵を使った際に、1002号も『記憶とタイムリープボーナス』を過去の自分に引き継げるようにした。


 さらに、その上で、先ほど、蝉原とヌルの繋がりを切ったように、

 1002号と、オリジナルの繋がりを切断して、

 1002号の経験値が、オリジナルに届かないようにハックした。


 センエースや蝉原に気づかれて、妙な対処をされないように、特殊な空間をわざわざ創って、そこに、1002号を隔離するという、徹底的な対処もほどこした。


 ――そんな『1002号育成計画の準備作業』が完了したのは、センエースとカミノの闘いが始まってから『72年目』のこと。

 それ以降、ずっと、1002号は、センエースが修行している裏で、同時進行の地獄鍛錬を続けていた。


 ――つまり、1002号は、ほぼ1000億年分の修行を経ている。

 『1002号だけの精神力』では絶対に持たなかった……が、

 彼の中にはテラスがいた。

 だから、楽勝でこそなかったが、

 不可能ではなかった。


 『テラスを救うためなら何でもすると誓った覚悟』と、『内包しているセンテラスの因子』が互いに支え合い、混ざり合い、重なり合った。

 結果、誕生した。

 オリジナルをも凌駕したコピー。

 まっとうに本物を超えたパチモノ。


 抱いた覚悟と、積んできた地獄という点において、

 オリジナルは、1002号の足元にも及ばない。



「君のような、『トウシのバックアップ』の『パチモン』ごときに、1000億年を積めるだけの覚悟を抱かせるとは……さすが、センくんの因子はハンパないね」


 ニィっと、ほんの少しだけ、熱のある笑みを浮かべてから、


「そんなオリジナルセンくんや、田中トウシ……そして、彼らが守ろうとしたもの全部を飲み込んでしまった陛下は……やはり、最高の頂点……崇拝するに値する御方だと思うのは、まったくもって、おかしなことじゃない」


 などと、なんだか、言い訳にも聞こえる言葉を口にしつつ、

 1002号に、まっとうな圧力をかけていく。


 1002号はかなり強くなった。

 蝉原を普通に圧倒できるだけの高み。


「……普通にやっても勝てないね。こうなったら、困った時の頼りの綱である『禁止魔カード』を使いたいところだけれど……」


 そう言いながら、チラっと、カミノに視線を送り、


「それは、たぶん、許してくれないんだろう?」


 そう問われたカミノは、ニっと笑い、


「ためしてみたらええやん」


「やめておくよ。『呪い返し』されて終わるだけだと思うから」


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