25話 ザンクさんに同じ手は通じない。
25話 ザンクさんに同じ手は通じない。
オリジナル・ザンクには、蝉原が回収した『センテラスの器』が、ぶち込まれているので、普通に、プラス・プライマル・プラチナスペシャル『天照坐皇大御鏡』も使用可能というチートぶり。
『狂愛のアリア・ギアス』は、『1001号』だけのものだが、――『1001号が【狂愛のアリア・ギアス】を背負った、というデータ』は、オリジナル・ザンクの中にも刻まれている。
――オリジナル・ザンクは、プラス・プライマル・プラチナスペシャル『天照坐皇大御鏡』の効果で、『ヌル』をコピーする。
流石に、ヌルを完全コピーすることはできない。
コピー対象が常識の範疇にいるなら、『強化した上でコピーすること』も可能なチート能力なのだが、爆裂に狂ったヌルを完コピすることは無理。
蝉原ぐらいなら、どうにか完コピできるが、ヌルは無理。
ザンクの『天照坐皇大御鏡』は、そこまでの次元には達していない。
ただ、『半分以上の性能』でコピーすることはできた。
――つまり、現在の、ザンクの存在値は、
「一応、今のザンクさんの存在値は『5000兆』ぐらいある。1000兆前後しかない上、体力も魔力も赤ゲージピンピンのあんたらに、ザンクさんをどうにかすることができるかなぁ?」
などとおしゃべりが止まらないザンクに、
満身創痍の聖天無神は、
問答無用の躊躇ゼロで、
「ナイトメア・トゥインクル・EZZパニッシャァアアアアアアア!!」
カミノが1000億年かけて積み重ねてきた封印魔法を放つ。
正直、込められている魔力量は、先ほどの『ヌルに使った分』とは比べ物にならない搾りカス。
しかし、積み重ねてきた時間がハンパではないので、
魔力量が多少足りなくとも、十分な性能で、
ザンクの全てを包み込んでいく。
「ああ、なるほど、なるほど。これは、なかなかエグいな。おもろい、おもろい。さすが、プライマルメモリの元主人公たちが力を合わした結晶。ハンパやないな」
などと笑っているザンク。
ザンクは、封印されている途中で、軽く両手を左右に振って、
「けど、まあ、流石に、さっき『同じ波形』を見たばっかりやから、普通に解析処理できるわなぁ」
バシュっと、ナイトメア・トゥインクル・EZZパニッシャーを消し去ってしまった。
「同じ手は無理やてぇ。いくらなんでも通じへんやろぉ。常識的に考えて。受験の入試で考えてみ? お前らの技が、結構な難問なんは認めるけど、二年連続で同じ問題を出したら、過去問をちゃんとやっとる大概の受験生は秒で完答できるやろ? それとおんなじ感じやで」
「今ぁああ!」
と、先ほどと同じく、
バラバラにされたナイトメア・トゥインクル・EZZパニッシャーを再集結させる。
――が、それも、
「だから、同じはあかんてぇ。普通に警戒しとるよぉ。バチバチに、二手目を警戒してたよおぉ。二発目はいつかなぁ、って、おしゃべりしながらも、ずっと、パリィのタイミングをうかがってたよぉ」




