19話 大丈夫だ、問題ない。
コミカライズ版センエース、9話配信記念!
一日10話投稿!!
7話目!
19話 大丈夫だ、問題ない。
「カオティック・マキシマイズ・ドリームオーラ・ミラージュ」
臆病すぎるほど極端にカスタムしまくった『バリア』を重ね掛けする。
ヌルには、もともと、自動展開されているバリアがあって、
おそらく、それだけでも十分なのだが、
しかし、ヌルは『この程度で大丈夫だろう』などとナメたりしない。
ぶっちゃけた話、
カミノたちを相手に本気を出す必要はない。
ヌルからすれば、余裕で処理できる相手。
しかし、ヌルは手を抜かない。
丁寧な対処を徹底する。
圧倒的な強者に『こんな臆病』を徹底されると、
圧倒的弱者の側からすると、本当に、たまったものではない。
「――ブラストオフ♪」
――ブラスト・オフ――
セイバーとカミノが、極大の照射をぶっぱなした。
それぞれの最強火力を惜しみなく投入。
元主人公の全力ブッパのダブル。
そんなものをまともに受け止めた者は、当然、
「ぎゃあああああああああああっ!!」
と、地獄の悲鳴をあげるカミノ。
無崎も白目をむいて泡をふいている。
そんな二人に包まれているヌルは、
(……ん……問題ない……)
ぶっちゃけ余裕で耐えられているのだが、
しかし、『余裕♪』とナメくさった態度をとることなく、
(……問題ないが……もう少しだけ耐久を上げるか……)
――こうなってくると、もはや、どこぞの慎重すぎる勇者級。
確実に大丈夫でも、おごることなく、ナメることなく、徹底的に『パーフェクト』を追及していく。
(……ん……終わりか……)
セイバーと天童の照射が止まったタイミングで、
ヌルは、完全防御陣形をとき、顔を上げて、
朦朧としている無崎とカミノにそれぞれ目線を向けてから、
「もちろん、俺も、そこそこダメージを受けたが……被害の度合で言えば、そっちの方が遥かに上だな」
そう言いながら、
まずは、カミノを蹴り飛ばす。
「それだけ死にかけていながら、それでも、最後の最後まで俺の腕を離さなかったことだけは、素直に、『やべぇ根性』と称賛してやる。『オリジナル・センエース』と比べれば大したことないが、一般人と比べれば異常レベルだ」
そう言いつつ、
自分の首をしめている無崎の腕をひっぺがし、
軽く背負い投げをかましてから、
ゴキゴキっと首肩をまわし、
「さてと……それじゃあ、そろそろ諦めてくれる? 無理だから。お前らじゃ絶対に俺は殺せない。お前らが俺を殺せる唯一の手段は、『お前らをザコだと侮る俺のスキをつく』ってところだが、しかし、俺は、絶対に油断しない。これだけ優勢な今も、お前らの動きをバリバリに警戒している。何か、とっておきのウルトラCをかましてくるんじゃないかと、内心ではビクビクしている。しかし、だからこそ、絶対に、俺の足元はすくえない。お前らに可能性はない」
そんなヌルの発言に対し、
ズタボロで死にかけのカミノが、
「……ごちゃごちゃ……うるせぇ野郎だ……」
そう言いながら、ゆっくりと立ち上がる。
まだ、いくつかのチートが働いているので、
ボコボコの肉体も、だんだんと、回復していっている。




