18話 自己犠牲?
コミカライズ版センエース、9話配信記念!
一日10話投稿!!
6話目!
18話 自己犠牲?
「……お前ら全員の連携……まあまあ強いけど……『まあまあ』の域を出ないな。突き抜けたものが、さほどない。もちろん、お前らはとんでもないスペックを持つわけだが……センエースや田中トウシと比べてしまうと……正直、ほとんど怖くはない」
時間が経過するごとに、
ヌルは、カミノたちとの闘いに慣れていく。
カミノたちの連携に適応していく。
ヌルに、才能はないが、
ヌルも、『センエースの因子』をもっているので、
『繰り返すこと』ができる。
繰り返し続けることで、確実に、練度が上がっていく。
「零閃拳」
距離をつめられる。
「ぶげほぉっ……」
カミノの腹部に突き刺さる、ヌルの零閃拳。
血を吐きながら、カミノは、
自分の腹を貫いているヌルの腕を、自身の両手でガシっと掴んで、
「今だぁああ! 爆裂系の魔法で、俺ごと、吹っ飛ばせぇええ!」
極端な命令を叫ぶカミノに、
ヌルは、至極冷静な態度で、
「美しい自己犠牲だな」
と、癇に障ることをほざかれたことで、
カミノは、ブチギレ顔になり、
「何が自己犠牲だ! おぞましい言葉を使うんじゃねぇ! てめぇ殺すためなら、手段を選ぶ気がねぇだけぇえ!!! 死ねよ、ヌルぅうう! 頼むからぁああ! 300円あげるからぁあああ!」
などと喚いているカミノの背後で、
カミノの命令を忠実に守る元主人公たち。
一切の容赦も遠慮もなく、
カミノごと吹っ飛ばそうとする。
セイバーは、
「顕現せよ!! リミットブレイクウェポン、パーフェクト・トゥルーヒーローォオオオッッ!!!」
体の5倍はある超巨大な大口径のビームライフルを召喚。
キュィイインッッ!
と、セイバーの叫びに呼応する駆動音が世界に響く。
セイバーとほぼ同時のタイミングで、
天童が、
「アンリミテッド・マキシマイズ・カオスインフィニッター」
旧システムによって魔改造されたフルパレードゼタキャノンを、
天使軍全員分、召喚する。
混沌属性を限界以上に高めたうえで、火力を極限まで強化した超ロマン砲。
1000近い混沌の銃口がヌルを捉える。
そんな彼らを尻目に、
無崎は、ヌルに接近し、背後から、
ガシっと、スリーパーホールドを決め込んでいく。
腕を拘束したカミノと、首を抑え込んだ無崎。
絶対に逃がさない必殺のフォーメーション。
その状況下で、ヌルは、
「ふぅうう……」
と、精神統一。
決して悠長なナメプなどではない。
纏っているオーラと魔力を底上げして、自身のバイタリティを極限まで上昇させていく。
彼我の差を冷静に分析した上で、
(……このぐらいでも問題なく耐えられるだろうが……念のため、もう少し、耐久度を上げておくか……)
心の中で、そうつぶやいてから、
「カオスティック・マキシマイズ・ドリームオーラ・ミラージュ」
臆病すぎるほど極端にカスタムしまくった『バリア』を重ね掛けする。
ヌルには、もともと、自動展開されているバリアがあって、
おそらく、それだけでも十分なのだが、
しかし、ヌルは『この程度で大丈夫だろう』などとナメたりしない。




