17話 元主人公たちの連携。
コミカライズ版センエース、9話配信記念!
一日10話投稿!!
5話目!
17話 元主人公たちの連携。
「天童! 天使軍をブリッツフォーメーションで突撃させろ! 後ろは俺がカバーする! セイバァァ! カースソルジャーをデバフガン積みモードで出来るだけ多く召喚してウロチョロさせるんだ! 自律型の運用で構わない! お前自身も自由に動けるようにしておいてくれ! 無崎! お前は……もう、なんか、あれだ! とにかく、いい感じに頑張れ! お前にはどう指示していいかわからん!」
悪口には過敏に反応するクズ共だが、
『勝利のために紡がれた命令』は遵守する。
誰も、カミノの命令に逆らわず、そのまま遂行しようとしている。
セイバーも、天童も、『指揮官』として、高いスペックを誇っているが、
『複数の指揮官を扱う』という点においては、そこまで卓越していない。
『局所的な部隊の運用』に関しては、天童の方が上だが、
『盤上を支配する能力』という点においては、やはり、カミノが最強。
セイバーは、命令どおり、大量のカースソルジャーを召喚し、ヌルのまわりを全速力でウロチョロさせる。
その向こうでは、天童が、
(ブリッツフォーメーション!!)
『展開させている天使軍(1000近い数の『フル武装天使』たち)』に、脳内で号令を出す。
意識が繋がっているので、わざわざ口に出して命令しなくとも『頭で思うだけ』で、1000近い天使たちが、天童の手足のように動いてくれる。
天童の天使軍は、どいつもこいつも、素の状態で最高格の実力を誇るスーパーエリート天使。
もともと優れているのに加え、天童が誇るプライマル・プラチナスペシャル『狂騒神曲』によって存在値が爆上げされているため、まぎれもなく最強をうたえる究極の天使部隊。
『天使の集団』というカテゴリにおいて、
『天童の天使軍』以上は存在しえない。
1000近い最強天使の猛攻という、恐ろしい手数でヌルに圧力をかけていく天童。
前衛の無崎が、回避タンク&アタッカーとしてヌルの動きを制限し、
中衛の天童が、天使軍の過密な弾幕でゴリゴリの圧力をかけていき、
後衛のセイバーが、山ほどの搦め手でアホほどの不自由を押し付け、
全体を見ているカミノが指揮者として、完璧に盤上を支配していく。
とにかく、全員が、出来る限りを尽くして、
ヌルを叩き潰そうと、必死になって舞っている。
――のだが、
「……お前ら全員の連携……まあまあ強いけど……『まあまあ』の域を出ないな。突き抜けたものが、さほどない。もちろん、お前らはとんでもないスペックを持つわけだが……センエースや田中トウシと比べてしまうと……正直、ほとんど怖くはない」
ヌルは、淡々と、冷静に、そう評価を下した。
バカにしているわけでも、侮っているわけでもない。
『無数の答案用紙を前にした、忙しい教員』のように、
無感情&無機質に、
基準に沿った『デジタルな評価』を下しているだけ。
ヌルの『さほど怖くない』という言葉は、決して強がりではなく、ただの事実で、カミノたちの猛攻を、
ヌルは、丁寧に、堅実に、確実に、間違いなく、
結局のところそれなりに余裕でさばいていく。




