10話 メテオスコール。
10話 メテオスコール。
「ふんぬらばぁあああああっ!」
シャウト効果を最大限に活かすカミノ。
全身全霊で、ヌルと向きあっていく。
「「「「「「「「「「「上エックス、下ビー、エルワイ、アールエー、モキュモキュ、フルモッキュ、6059852!!!」」」」」」」」」」」
アバターラも含めた全員で、
『前提となる詠唱』を並べてから、
「「「「「「「「「「「煉獄・不滅彗星ランク2000!!」」」」」」」」」」」
全員で、『範囲力全ブッパに魔改造した超高位のメテオ』を放つ。
センエース・ヌルは動きがはやすぎる。
カミノが使うパチモングリムアーツでは対処しきれない。
――だから、カミノは、『全力の弾幕』で圧殺しようとした。
前にこの技を使おうとしたときは、魔法のクオリティが高すぎて、まともに発動さえしてくれなかったが、創世神化時のカミノのメモリ容量は破格なので、ランク2000という、えげつない数字で運用することすら容易だった。
「むっ!」
さすがのヌルも、これだけの弾幕を完璧に避けることは出来ない。
『この弾幕には安全地帯が存在しない』と目視で理解したヌルは、
完全防御陣形をとってメテオスコールに耐えた。
ズドドドドドドッ!
と、殺意の雨が降り注ぐ。
激しいダメージに包まれるヌル。
高位の火力に晒されている中で、
ヌルは、
「……範囲に振りすぎ。火力が足りない。お前の火力じゃ、絶対に俺の『絶対的主人公補正』は貫けない……とはいえ、そこそこのダメージは通った。おかげで、『翠龍壱色』の火力が上がった。お前の耐久力じゃあ、もう、たえられない」
暴露を積みつつ、
「翠龍壱色、こい」
指をパチンと鳴らす。
すると、その雑な命令にも、殊勝に従うヘブンズキャノン。
ヌルの背中から生えてきた『キャノンつきのシッポ』の銃口がカミノをロックオンする。
ヘブンズキャノンは、ヌルが誇る器の一つ。
本来のヘブンズキャノンは、『戦闘中に、キャノンつきのシッポが生えてくる――可能性がある』という、ずいぶんフワフワしたプラチナ。
すさまじく強力な能力だが、発動するかどうかも運しだいで、発動しても、どのタイプのキャノンが生えてくるかランダムという、運否天賦感が強すぎる、安定性にかけまくった力。
――そんなギャンブル能力を、ヌルは完全に掌握している。
好きなタイミングで、好きなタイプのキャノンを召喚できる。
『運否天賦過ぎる』というデメリットがあるからこそ、運よくあたりを引いた時、莫大な恩恵を得られる――というのが、ヘブンズキャノンの特性なのだが、しかし、存在そのものがチートのヌルに、そんな枷は届かない。
自由に使えるにも拘わらず、強大なスペックを誇る。
そんなチートもお手の物。
「俺は、ヘブンズキャノンを自由に使えるが、ヘブンズキャノンの『個々の個性』まで自由にできるわけじゃない。『俺が受けたダメージの分だけ、翠龍壱色の火力が上がる』という個性まではいじれない。出来れば、そこの部分もチート化して、『ダメージを受けていないのに、最大ダメージを受けた時の火力を出せる』というインチキ状態にしたいんだが……それは、さすがに、まだ出来ない。あくまでも、まだ出来ないだけで、いつか掌握してみせるが」




