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15話 神級モンスターの襲来はエグすぎる。


 15話 神級モンスターの襲来はエグすぎる。


 覇剣の役目は、『武装した強盗』が襲い掛かってきた時に対処することだが、この中央カジノの警備体制が襲われることなど、ほぼありえない。


 となると、覇剣は、やることがない。

 だから、毎日、こうしてダラダラと一日を過ごしている。



「……ん?」


 控室で談笑していた時のこと、

 覇剣の『目と耳』の役割もこなしているギャンバルが、

 異質な気配に気づいてイスから腰をあげた。


「どうした、リーダー」


「……何かが近づいている……なんだ……このおぞましい気配……」


 気づけば、体が震えていた。

 本能に訴えかけてくる深い恐怖。


 感覚が鋭いギャンバルだけではなく、

 ほかのメンバーも、せまりくる恐怖に気づいた。



 覇剣の面々は、各々、武器をとり、

 気配の正体を探るべく走り出した。


 控室を出たところで、


「……っ」


 覇剣の面々は違和感に気づいた。


「……空間魔法……」


 ボソっと、誰かがそうつぶやく。

 誰が言ったかはどうでもよかった。

 問題なのは、


「……っ……っっ!!」


 その空間魔法を行使した者。


 その存在は、空間内に玉座を生成して、深く腰掛けていた。

 豪華なローブをまとったガイコツ。

 その化け物を見て、ギャンバルは、身の毛が逆立つ恐怖を感じた。


「な、なんだ……あのバケモノ……ソウルリッチ……か?」


 ソウルリッチは、不死種の上級モンスター。

 すさまじく強力な能力を持つアンデッド――だが、

 その化け物は、


「そんなゴミのようなモンスターと間違えられるとは心外だな」


 深い知性を感じさせる声で、そう言った。

 くつくつと笑い、


「私の種族名は、死羅腑しらふという。知っているかね?」


「……知らない種族名だ。……カッピィ、知っているか?」


 ギャンバルは、覇剣の頭脳であるカッピィに質問を投げかける。

 知らないことがあった時、ギャンバルは、いつだって、カッピィに頼る。

 カッピィは、何でも知っているから。


「……カッピィ? おい、どうした?」


 青い顔をしているカッピィを見て心配になるギャンバル。

 そこで、カッピィは、ふるえながら、


「……死羅腑は……か、神級の……不死種モンスター……」


「……なっ……っ」


「ほう、知っている者がいるとは思わなかったな。なかなか博識じゃないか。……まさに、そのとおり、私は神級のアンデッド。ヤオヨロズの迷宮で生まれた神代の化け物」


「や、ヤオヨロズの迷宮?! あの迷宮で発生したモンスターは、外には出られないはず!」


「なにごとにも例外はあるものさ、くくく」


 狂気的な笑い声をあげる死羅腑に対し、

 ギャンバルは、


「さ、最大級、警戒態勢! あの化け物を、全力で排除する! カッピイ、震えている場合じゃないぞ! これは、人類の危機だ!」


 『闇色の死』そのものを目の当たりにして、

 生存本能が凶悪に刺激される。


 口では勇ましいことを言っているが、

 体はブルブルと震えている。


 ギャンバルは強い戦士である。

 強さを求める中で、多くのモンスターとも闘ってきた。

 だからこそ、そこらの一般人よりも、化け物の怖さは知っている。



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― 新着の感想 ―
知っているがゆえに青い顔をして震えるカッピィの反応が、 読者にもこの敵は本物だと強烈に伝わってきました。
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