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6話 使える単三が出てこない。


 6話 使える単三が出てこない。


「おっ、また見つけた。レア獲得率は最低を更新しているが、宝箱発見率は上振れしているっぽいな……そういう意味で言うと、一応、俺の運は、通常営業で平均的って感じなのかな? いや、でも、ゴミばっかりしか拾えないなら、総合判断的には、やっぱり、下ブレな気がするが……」


 などと言いつつ、宝箱をあける。

 中には、


「……ランク1ぃいいいいいいいいいいいいい!」


 ランク1の魔カードが一枚だけ。

 己の不運に対し、普通にブチ切れて、メンコのように、魔カードを地面にたたきつけるセン。


「はぁ……はぁ……くそがぁ」


 と、怒りをあらわにしつつも、

 センは、地面にたたきつけた魔カードを拾い上げ、


「分身の魔カードなぁ……魔法の種類は悪くないんだが、低クオリティすぎるんだよなぁ……」


 分身じたいは、かなり有用な魔法。

 『強者に使われると厄介な魔法ランキング』で上位につけている、なかなかの優れもの。


「それに、今の俺が二人に増えたところで、GOO相手には焼け石に水だしなぁ……仮に、これが、オーラドール・アバターラの魔カードだったとしても宝の持ち腐れでしかねぇ……」


 オーラドール・アバターラは分身系の最高位魔法であり、

 『ほぼ劣化していない自分の分身』を召喚できる。

 ――ただ、今のセンとほぼ同じ分身が出てきたところで、何の意味があるという。

 範囲攻撃で殲滅されて終わり。


「もっと、使える単三出てきてくれよ……」


 センは、そこで、タメ息をついて、


「いったい何が出てきたら、GOOとの闘いで、俺が使いものになるのかは見当もつかんけど……とにかく、使える単三、出てきてくれ。頼むから。俺は、ムーア最終のマダ〇テで闘技場Fクラスをクリアしたいんだ。ゲームの中でぐらい、異世界もの級の無双を経験させてくれてもよかですやん」


 などと、最初と最後で意味が錯綜しまくっている『中身ゼロの戯言』をほざきながら、探索を続けるセン。

 ――と、そこで、



「おっとぉ?」



 『鍵のあいた多目的室』に入ったところで、

 センは、『何かの気配』を感じて、グっと腰をおろした。

 臨戦態勢。

 とりあえず、何が起きてもすぐに動けるように、

 低い姿勢で構え、逃走ルートを確認しつつ、

 センは、


「誰かいる感じ? それとも、いない? いないなら、いないって言ってくれる?」


 そう声をかけたところで、


「ん……んん……」


 と、女子の声が聞こえた。

 『今、目覚めた感』でいっぱいの声。


 そして、多目的室の奥で、ムクリと上半身を起こす彼女。

 明るいピンクアッシュのボブヘアー。

 決して美人とは呼べない、極めて平均的なルックス。


「あれ? え? なんで、こんなところ……あれ?」


 と、混乱しているような彼女に、

 センが、


「お前、人間か? それとも、人間に化けた神話生物か? どっちだ。正直に答えた方がみのためだ。俺だけは、敵に回さない方がいい。俺はヤバい。すべてにおいて、とにかく、ヤバすぎる。世界一頭のおかしい姉弟と知り合いだし、宇宙一のヤクザや銀河一の天才と幼馴染だし、世界最高峰のスペックを誇る部下が1億人以上いる。だから、おとなしく質問に対して、正確に答えろ。お前はどっちだ、俺の敵か、それ以外か」


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