表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
788/1228

4話 SSS。


 4話 SSS。


「それが事実なら、とんでもない話だな。最果てに至った貴様なら、アウターゴッドをも処理できるだろう」


「出来たらええんやけど……どうやろなぁ……」


 田中は、センの記憶に触れた時、アウターゴッドに関する情報も会得している。


(……少なくとも、今のワシでは無理……ワシの中に眠っとるもんを全部たたき起こした上で、最高位ダンジョンを制覇しまくって、最高ランクのアイテムを大量確保して……それでも対抗できるかどうか微妙ってところ……)


 頭の中で未来を演算する。


(……『センエースの運命』が、『センエースの夢の通り』やとしたら、おそらく、センエースの予想どおり……いつかは、アウターゴッドが召喚されてまう……『その時のための準備』は確実にしとかんとなぁ……)


 そこで、田中は、ため息をつく。


(センが目覚めてくれたら、色々と楽でええんやけど……なんか、今の調子やと、あいつを目覚めさせるんは、だいぶ厳しそうやなぁ……)


 センエースが覚醒してくれない以上、自分がどうにかするしかない。

 そんな重たい責任感を背負っている田中。

 あまりにも重量がエグい荷物に辟易。


(しかし、ほんまにヤバい敵が出てきた時は、あいつの戦闘力が絶対に必要。ワシの中にあるもんを目覚めさせるだけやなく、あいつを目覚めさせる方法も、一緒に探さんとな……やることおおいなぁ……頭、痛ぁなってきた……はぁ……)


 ため息が止まらない。


 そうこうしている間にも、なんだかんだ、サクサクと『無理級ダンジョン』を攻略していく田中。


 それなりに時間はかかったが、結局のところ、ケガ人の一人も出すことなく、『田中率いる神話生物研究会』は、無理級ダンジョンを攻略してしまった。


 最奥の『階段の上』には『豪華な装飾の宝箱』が一つ。

 代表して、田中が、その宝箱を開けた。

 中には、



「……携帯ドラゴン用の強化チップか……ランクは、SSS……さすが、無理級のダンジョンで入手できるアイテムは格が違ったな」



 SSSランクの強化チップは、なかなか入手することが出来ない。

 確率で言えば、1%を大幅に下回っている。

 とてつもなく希少なアイテムであるため、本来であれば、誰の携帯ドラゴンに食べさせるか、神話生物研究会のメンバーだけではなく、神話生物対策委員会の老害どもも含めて、かなりデカめの会議が行われるのだが……しかし、現状では、悩む時間は皆無だった。


 全会一致で、『田中の携帯ドラゴンに食べさせるべきである』という結論に達した。

 田中自身、自分のエルメスに食べさせるべきだろうと思っていたので、変に遠慮することもなく、その結論を受け入れ、エルメスに、SSSランクの強化チップを食べさせた。


 この強化チップを捕食することによって得られる恩恵。

 それは――




「ん?」




 と、そこで、

 神話生物研究会のメインサポーターであるヒッキが、

 何かを感じ取ったらしく、


「外に設置しておいたセンサーに反応あり。強大な力をもったGOOが湧いた……」


 そのつぶやきを耳にしたカンツが、


「またか。二夜連続で、上位GOOが湧くとは珍しい……」


 その情報を得た田中は、


「ちょうどええ……今手に入れたアイテムの効果を、ためさせてもらおか」


「……ぁ」


「どしたん、ヒッキ」


「センが、また学校にきている……そして、さっき言ったGOOに殺されかけている……」


「……」


 その言葉を黙って聞いていた田中の横で、

 カンツが、渋い顔で、


「な、何を考えとるんだ、あいつは……」


 と、呆れまじりにタメ息をついた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ