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2話 どうやら、センエースの旅は終わったらしいです。


 2話 どうやら、センエースの旅は終わったらしいです。


「ああ、楽だ……しんどいことを、主役に全部任せて寝ていられる、この時間の、なんと幸せなことよ。こんなに嬉しいことはない。……俺は、ずっと、こういう時間を求めてきた。しんどい苦悩にまみれて、朝から晩まで、毎日毎日、修行にあけくれる日々なんて、そんなもん、頭おかしいサ〇ヤ人に任せておけばいい。俺なんか、しょせん、どこにでもいる、しょぼい第一アルファ人でしかないんだから、主役の邪魔だけはしないよう、余計なことは何もせず、静かに、豊かに、自由に、まともな人生を謳歌していればいいんだ」


 グチグチ、グチグチと、

 ファントムトークにすらなっていない『弱者の戯言』がとまらないセンエース。


「そうだ、ゲームをしよう。ひさしぶりに初代テ〇ワンでもやろうじゃないか。普通にプレイしたら2~3時間でクリアしてしまうから、序盤の三つの扉だけで、ドレ〇ムをつくるという苦行に挑戦してみようか。いやぁ、なかなかの『無駄に洗練された無駄のない無駄な時間』を過ごせそうだ。オラ、ワクワクすっぞ。さて、さっそく配合表を確認して……あー、しまった、序盤の三つの扉だけだと『わ〇ぼう』が無理……詰んだぁ。やる前から、俺のチャレンジは終わってたぁ。まるで、俺の人生みたぁい。あはははははは」


 死んだように、ベッドに張り付いたまま口だけを動かし続けるセン。

 彼の旅は、どうやら終わってしまったらしい。

 しかし、それも仕方がない話。


 田中シャインピースという、異次元の天才の前では、

 センエースなど、路傍の石ころにすぎないのだから。




 ★




 ――正式に、神話生物研究会に加わった田中は、

 今夜からカンツたちと一緒に、夜の学校で、ダンジョン探索を開始している。


 時空桐作学園の『夜にだけ湧く謎のダンジョン』の奥には、学校で湧く宝箱よりも高位のアイテムが隠されているという。

 クリアするのは非常に困難で、バリバリに命の危険が伴うが、しかし、そのリスクを背負うだけのリターンがある探索。


 『田中シャインピース』という絶対的エースを得た神話生物研究会は、これまでのように『アウターゴッドを召喚させないための努力』ではなく、『アウターゴッドが召喚されてしまっても殺せるようにする努力』を開始することになった。


 つまりは、田中を中心とした、田中を活かすためのフォーメーションの補強。

 異常体力組は、田中の盾になるためのシステムを構築し、

 サポート組は、田中のスペックを底上げするためのビルドを磨く。


 そんな、超一点特化型フォーメーションを徹底したことで、神話生物研究会は、これまでは踏破不可能だった超難易度のダンジョンもクリアできるようになった。


 ダンジョンには5つの難易度段階があり、下から、

 『D級(まあ普通にクリア可能)』

 『C級(ワナをうまく回避できればなんとかクリア可能)』

 『B級(ガーディアンが強すぎてしんどいが、無理をすればクリアできなくもない)』

 『A級(ワナもガーディアンもエグすぎて、ほぼ確実に、誰かが死ぬ)』

 『S級(無理)』


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