11話 にゃんぱすー。
11話 にゃんぱすー。
「ど・ち・ら・か・ら・に・し・よ・う・か・な、か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り…………神様は右とおっしゃっている……じゃあ、左にいこうか」
などと、つぶやいてから、
センは、ターゲットの元へと駆け抜けた。
ほんの数秒で山の中を駆け抜けて、
ターゲットを発見すると、
「ひゃっはああああぁ! 汚物は消毒だぁああ!」
そう叫びながら、
ターゲットの腹部に、拳で風穴を開けていく。
「ぶへぁああ!」
一撃で失神したターゲットに、
軽く回復魔法をかけて、死なないようにしてから、
周囲にいる部下十数名に対し、
「よく聞け、社会のダニどもぉ! とりあえず、一人残らず、両足を切断していくから、正式に覚悟しろぉお! 罪には罰をぉお! 咎には刑を! それが俺のモットー! ひゃっはぁあ!」
一冒険者として、自由気ままに、犯罪者をさばいていくセンに、
「が、ガキがぁああ!」
勇気のある若者が、
背後から襲い掛かってきた。
そんな勇気ある若者に、
センは、
「誰が、ガキじゃ、ごらぁあ! 俺は40億歳だぞぉお!」
そう叫びながら、
勇気ある若者を吹っ飛ばし、
「天誅でござる!!」
そう言いながら、勇気ある若者の足をバッサリと切断する。
どでかい悲鳴が森の中を響き渡る。
続けてセンは、
バッサ、バッサと、その場にいる犯罪者どもの足を綺麗に切断していく。
うめき声と悲鳴で埋め尽くされていく、
――そんな優しい世界。
「な、なんで、こんなことを……」
途中で、野盗の一人が、センに向かって、そう言った。
センは、ニコっと微笑んで、
「お前ら、『血迷う剣団』だろ? これまで、ずいぶん、シッカリとあくどいことをやってきたようじゃないか。殺してきた一般人の数は数千単位。女は容赦なく犯し、子供だろうと関係なく殺す。いいねぇ。最高だねぇ」
うんうん、と首を縦にふりながら、
「お前ら相手だと、何をしても心が痛まない。俺のワガママな自由をぶつけられる稀有な存在。というわけで、自分の罪を数えながら、しっかりと、俺の糧になってくれや。反省はしなくていいぜ。もう無意味だから。けれど、後悔だけはシッカリとしてくれや」
「ひ、ひぃいい!」
サクっと、全員の両足を奪ったセンは、
「はい、盗賊団一つ、討伐完了。時間にして……3分20秒。2時間もあれば殲滅できるかな。盗賊団ら……駆逐してやるっ! この世から……一匹残らず!!」
★
――東の森の上層部をねぐらにしている義賊集団『ファントムスターズ』。
彼らは、腐った貴族から金を奪い、貧困層に配るという、カースト上位勢からすれば目の上のたんこぶ。
ゆえに、ファントムスターズは、一般人を殺したりはしていないのに、懸賞金は、かなり高額。
「ついに今夜だ。私たちは、今日、中央カジノの裏金庫を奪う」
ファントムスターズのリーダー、存在値362を超える超人『マリス』は、チームメンバーの面々に、そう声をかけた。
中央カジノには、各国の為政者が、『秘密の財』を預けている『裏金庫』なるものが存在している。
そのため、すさまじく厳重な警備がされているが、
マリスは、長年をかけて、裏カジノに関する情報を集め、
オーシャン〇イレブンばりの完璧な作戦をたててきていた。




