表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
774/1228

77話 センエースのことは無視。


 77話 センエースのことは無視。


 『感情の暴走をおこしているセン』のことは、いったんシカトの方向性で、

 特待生たちは、田中との情報交換を進めていた。


 どういう流れで、何が起こって、田中と閃が襲われるコトになったのか。

 特待生たちが、どういう状態にあるのか。

 その辺の細かい前提情報を、あらかた交換したところで、

 カンツが、


「となると、田中。お前が、本物の300人委員会の支配者Tなのか」


「いや、『本物』という装飾品をつけられてしまうと、また、勝手が変わってくる。巷で流れとるような『妙な噂』は、全部、ただの尾ヒレでしかない。『弱い人間は、理想の向こう側に夢を見る生き物だった』、という、たったそれだけの話。……ワシはただの平均的男子高校生でしかない」


「がはははは! 最高位GOOを倒してしまった男を、平均というのは無理があるだろう」


「今回のコレは、たまたま、ワシの中にあるもんが目覚めたってだけの話。昨日までのワシは、ちゃんと、一般人をやっとったよ。せやから、『完璧な叡智を持つ300人委員会の支配者T』ってのは、まぎれもなく、ただの幻想。噂に言われとるような、すべてを見通す完全なる支配者なんてものは存在せん」


「これまでがどうだったかなど、そんなことはどうでもいい。お前が、これから、完璧な支配者になればいい。大いなる力には、大いなる責任が伴う。田中シャインピース。お前の可能性は、ウワサと比べて遜色ないと、ワシは思う。それだけの資質を世界のために使わないのはギルティだ。お前には、是が非でも支配者になってもらう」


「……そういうのは性に合わん。ワシは自分のやりたいことだけやらせてもらう。そもそもにして、王様なんてものは、責任感の強いやつがやるべきやろ。つまり、お前がやるべきやと、ワシなんかは思う。というわけで、頑張れ、カンツ。お前がナンバーワンだ。立派な統治者になってくれ」


「逃げられんぞ、田中シャインピース。お前は、今日から世界の王だ。これまでも、肩書的にはそうだったわけだが、しかし、これからは、正式に、この世界を統治する支配者Tになってもらう」


「だから、支配者Tなんか存在せんと言うとるやろうが。たまたま拾ったオーパーツで面白半分の実験をしたアホな高校生がおっただけ。その結果、偶然と妄想がミルフィーユになっただけ――」


「そこの部分に関しても、ワシは、ただの偶然だとは思わん。おそらく、運命なのだろう。偶然と運命は似通っているようで、実のところは全然違う。偶然に付属品は存在しないが、運命には責任が生じる。田中シャインピース。世界の王になるのは、お前の運命であり、つまりはお前の責任だ」


 カンツの中で、ちゃくちゃくと、田中シャインピース支配者育成計画が進行している。

 そんなカンツを尻目に、


 センは、心の中で、


(……カンツは、いつだって、『ヒーロー』を追い求めている。『理想のヒーローが世界を照らす日』を夢見て邁進している。カンツは諦めない。『理想のヒーローが存在しないなら、自分がなってやる』という覚悟を胸に抱いている暴走機関車。その意識の暴走機関車っぷりが、『自分自身カンツ』に向いているうちは、ただ狂気的に努力を続けるだけのゴリラだが、理想のヒーローになりそうなやつを見つけた場合、猪突猛進で、『そいつ』を、より理想的なヒーローへと叩き上げようとする……)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ