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9話 俺たちがその気になれば、7秒以内に全員殺(や)れる。


 9話 俺たちがその気になれば、7秒以内に全員殺れる。


「く、うぇ……ぐ……こ、このガキ……」


 カティの魔法をくらった先輩冒険者は、

 貧血と脱水でフラついているものの、

 まだ、しぶとく抵抗しようとしている。


 と、そこで、他の冒険者が、その『死にかけ』に近づいて、


「やめとけ、バカ。あの少女は、フェイトファミリーの人間だぞ」


「……ふぇ、フェイトファミリー? あ、暗部の最高峰じゃねぇか……なんで、そんなのが……」


「知るか。なんかのミッションかもな。とにかく、関わらない方がいい。下手につついたら、シャブルン・フェイトとかが動く可能性もある。そうなったら終わりだぞ」


「ぐっ……う、裏のやつらが、表に出てくるんじゃねぇよ……きもちわりぃなぁ……」



 ★



「あのオッサンのせいで、ちょっとゴチャっとなったけど、話を元に戻したい。この冒険者ギルドには、現在、そこそこのランクの冒険者が20人ほどたむろしているが、俺達ガットネロがその気になれば、7秒以内に全員、れる。そんな俺たちにふさわしい仕事を見繕ってくれ。頼んだぜ、綺麗なお姉さん」


 なんて、そんな軽いノリで、受付嬢に仕事を注文すると、

 そこで、奥から、渋いオッサンが登場し、

 センとカティを睨みつけ、


「ギルド長のラクサイだ。話は聞いている。裏と表は交わらないのが掟。そう認識していたのは間違いだったか?」


「だから、円満退職してきたって。暗部をやめて、日の当たる場所でまっとうに生きたいと思っただけさ。フェイトの上層部とは、ちゃんと、話をつけてきている。心配なら、ファミリーに連絡してみな。俺たちは、ちゃんと、正式に破門されているから」


「……嘘だったら出禁にするが?」


「ご自由に」


 そこで、ラクサイは、通信の魔法を使い、『知り合いのフェイトファミリー幹部』に連絡をつける。

 ギルド長クラスになると、裏とのつながりもそれなりに深い。


「……ふむ。確かに、間違いなく正式に破門されているようだな」


 少しだけ、思案してから、


「人生の再出発を邪魔するほど野暮じゃない。フェイトファミリーのカティがズバ抜けた力を持っていることは理解している。ただし、特別扱いはしない。階級をあげたければ、功績をあげていけ」


「それはさっき聞いた。ただ、このカティ姉様に、いつまでも、薬草採取させたり、ゴブリンを狩らせたりするのは人材の無駄遣いも甚だしい。でかい功績をあげられる依頼をくれ」


「……そうだな。では、野盗を狩ってくれ。最近、東の森で、盗賊団が、うじゃうじゃと沸いて出ている。『100万テス以上の賞金首』が首領をしている盗賊団を、二組以上叩き潰せ。それだけの功績を残せば……3つ星に昇級させてやる」


「今晩中に、20組ほど叩き潰してくるから、5つ星に昇級させてくれ」


「……そ、そんなこと、可能なのか?」


「カティ姉さんなら、余裕だよ。カティ姉さんは格が違うんだ。あ、ちなみに、俺も、サポート要員として、そこそこ腕がたつ。俺たちは、チーム。そこんところを忘れないでくれよ、ギルド長さんよぉ」



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― 新着の感想 ―
センとカティのコンビ最高です! 特に、センが今晩中に20組叩き潰してくるから、 5つ星に昇級させてくれと無茶ぶりする、 自信満々なところが痛快で大好きです。
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