58話 暴れるカンツ。
58話 暴れるカンツ。
「ワシが契約したコスモゾーンレリック・モルティギアンは、死霊系ショットガンのダブル。一度に発射される弾丸の数は20。その全てに即死の効果がついている。即死にレジストしたら、他の無数の状態異常の判定が行われ、すべてにレジストした場合、最大火力のダメージをあたえる。この暴露で火力がさらに増大! 貴様級のGOOが相手だと、デバフは通らんだろうが、しかし、その分、多くのダメージを受けてもらうぞ! そもそも、ワシの場合、デバフをまくよりも、火力でゴリ押しする方が性にあっている! つまり、貴様は死ぬぅうう!」
結論に至るまでの途中過程があまりにもダイナミックすぎるカンツ。
両手に構えたショットガンで豪快に乱射。
『GOOの最果て』を名乗るほどのバケモノが相手なので、デバフ系は、もちろん、すべて、レジストされてしまうわけだが、それは最初から想定の範囲内。
むしろ、下手に通らない方が、カンツとしてはありがたいレベル。
完璧にレジストされたことで、モルティギアンの火力は爆上がり。
膨大な魔力とオーラの込められた、火力バカ上がりの連射を受けたことで、さすがに、ウムルも、
「ぬっ……ぐぐっ……っ」
押し込まれていく。
生命力がゴリゴリと削られていく。
「がははははははははは! この連射に休憩などないぞ! ワシの体力が尽きるまで、銃弾も尽きんからなぁ! つまり、それが、どういうことかわかるか! 無限ってことだぁああああ! 貴様がぁあ! 死ぬまでぇええ! ワシは! 撃つをやめないぃいいい!」
大量の、バ火力連射を受けたウムル。
『グミ撃ちはノーダメージで笑われるもの』と、相場が決まっているわけだが、
カンツの連射は、ウムルに対して、なかなかの有効打として働いている。
それは、間違いのない事実なのだが、
――しかし、決定打にはなっていなかった。
ウムルは、
「……だいたいわかった……これだけくらえば、さすがになぁ……」
防御をかためながら、カンツの魔力とオーラの流れをつかみ取ろうとしていた。
カンツとモルティギアンのシナジーは、特殊な気形を成していたが、しかし、『掴み切れないほど異質』というほどでもなかった。
――ウムルの器は、それなりに大きい。
これまでに、多くを経験してきたから。
本当に、多くを経験してきたから、
――だから、『カンツの想定』を『超えること』が出来た。
『永年の積み重ね』がなければ、届かなかった。
潜在能力だけで見れば、ウムルは、カンツの足元にも及ばない。
しかし、積み重ねてきた莫大な経験値が、
どでかい器となって、ウムルの全部を支えている。
「魔力のコントロールで、私の右に出る者は、ほぼいないぃいいい!」
自負を叫びながら、ウムルは、カンツの連射に自分の魔力を合わせていく。
方向性としては『オメガバスティオン』とほぼ同じ。
波長を合わせていく。
謎チートが過ぎる『オメガバスティオン』のように、『ほぼノーコストで攻撃を消滅させる』みたいな反則はできないが、
自分の魔力と波長を合わせて、限りなくダメージ量を抑えることは不可能ではなかった。
字面では簡単に言っているが、これには、相当な技量を要する。
これが出来るのは、ありえないレベルの才能と、どでかい器を持つウムルぐらい。
「無崎くんは怖すぎる」という新作の連載を開始しました(*^-^*)
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