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53話 携帯ドラゴンほちぃ。


 53話 携帯ドラゴンほちぃ。


「携帯ドラゴンは、全ステータスが爆裂に上がる装備品、みたいな感じでとらえると、より理解しやすいかも。育て方しだいでは、魔法を使えるようにもなるし、直接『鎧』にして身に纏い、追加でステータスを爆上げすることも可能。普通に武器にすることもできるよ。こんな風に」


 そう言いながら、ヒッキは、自分がもっている杖にアイコンタクトを送る。

 と、同時、杖がぐにょぐにょぉと動き出し、

 2秒ほどで、二頭身の可愛らしいドラゴンに変化した。


「きゅい」


 と、可愛らしく鳴き声をあげながら、

 パタパタと、小さな翼をはためかせ、

 田中の目の前で、ホバリングをする。


 ある程度、自分の姿を田中に見せつけてから、携帯ドラゴンは、また、ぐにょぐにょと身体を変形させて、マジックステッキ状態へと戻った。


「神話生物とまともに向き合おうと思うと、携帯ドラゴンは必須。携帯ドラゴンなしで、グレートオールドワンの相手は無理。神格たちが使うドリームオーラってバリアは、人間の拳なんかまったく通さないのはもちろんのこと、銃器やバズーカやミサイルなんかも余裕で防いでしまうから」


「……携帯ドラゴン……聞けば聞くほど、めちゃめちゃええな……欲しいんやけど、どこのショップで購入できるんかな? 最新機種の最強プランで契約したい所存なんやけど」


「その辺の話は、あとで、ゆっくりしようか。まずは、目の前にいる大量のバケモノどもをどうにかするところから始めたほうがいい」


 そう言いながら、ヒッキは、大量のGOOたちをにらみつける。


「まあ、どうにかする……とは言ったものの、私たちで、あいつらをどうにかすることはできないけどね。なんせ、つい、さっき、かなりしんどいダンジョンを攻略したばかりだから、もう、ほとんど、魔力も体力も残っていないんだ。低位の回復魔法をあと、2・3回使うのが精いっぱい。とてもじゃないけど、異常生命力を誇る化け物数十体を削り切ることはできない。時間稼ぎが関の山」


 そんな弱気な発言を受けた田中は、そこで、『この場に集結した特待生たち全員』を見渡してみた。

 全員、気合の入り方が違うため、『無様によれた姿』こそみせていないが、しかし、よく見れば、確かに、全員、顔に疲れが見えていた。


「この学校のどこかに、たまに開くダンジョンってのは、どれも、難易度が高いんだけど、今回開いたダンジョンは、今まで攻略してきた中でも、1・2を争うレベルでね……全員が『全部』を出し切らないと攻略できないレベルだったんだ……だから、正直、今の私たちは、立っているのもギリギリ……とてもじゃないけど、何十体ものGOOを対処することはできない」


「ええ……いや、そんな弱音を吐かんと、頑張ってくれや。頑張ってくれというか、あのクソどもを皆殺しにしてくれや。あのくそったれどもに、絶望を教えたってくれや」


「無理だね。私たちも、特待生とはいえ、しょせんは普通の人間。言うまでもなく、『限界』ってのが、普通にある。私たちでは、この絶望を処理するのは不可能」


「そんなこといわんと――」


「私たちでは無理だけど……カンツなら、やれる」


「……ん?」


「彼だけは、本当に、いつだって別格だよ。ダンジョン攻略中だって、一番、身を削って戦っていたんだけど……それなのに、今、一番体力が残っているのがカンツなんだ。ほんと、化け物だよ。普通に別枠。一緒にしてほしくない」



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