表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
743/1228

46話 刮目するがいい。これが、神の王を超えた力だ。


 46話 刮目するがいい。これが、神の王を超えた力だ。


「お前の方が正式な一等賞だ。だから、お前が、覚醒して、ウムルを倒すべきなんだぁああ!」


「都合の悪い時だけ、主役の座を押し付けてくんな。ワシよりも、お前の方が主役としての適性が高い。というわけで、覚醒せぇ! 今まで、散々、ピンチで覚醒してきたやろ! 同じことするだけや! 簡単な話やろ!」


 などと、醜く、『ナンバーワン(キングボ〇ビー)』の座を譲り合っている謙虚な二人。


 そんな二人を尻目に、

 ウムルが、


「呑気なガキどもだ……『私たち』を前にして、仲良く遊んでいられるとは」


 そのセリフに、センと田中は、それぞれ別の反応をする。


「訂正を要求する! 俺と田中は、断じて仲良しではない!」


「そんなこと言うとる場合か、ボケ! それよりも、ウムルが『私たち』ってほざいたことに着目せぇや!」


 そこで、田中は、ウムルの目を睨み、


「まさか、お前、これから、100万体に増殖するか言わんやろうなぁ」


 と、懸念を口にすると、


「それほどの絶望をプレゼントできたら、確かに、さぞかし面白そうだが、さすがに、私と同等クラスを100万体も用意するのは無理だな」


 ククッと楽しいジョークに微笑んでから、


「――『私ほどの次元に達した化け物100万体の登場』を予想した貴様にとっては期待外れもいいところかもしれないが、まあ、しかし、これが今の私の限界なので我慢してくれ」


 パンパンと、両手を鳴らすと、

 いまだ、淡く光ったままのジオメトリから、

 ぞろぞろ、ぞろぞろと、

 ヤバそうな化け物たちが、次から次へと、湧いて出てくる。


「私のサポートに特化した配下、全部で30体……全員が、歴戦のグレートオールドワンだ」


 30体のグレートオールドワンは、どれも、面構えが違った。

 どいつもこいつも、永き時を生きてきた、辣腕らつわんの化け物共。


 ちなみに、彼らは、一体一体が、ロイガーを瞬殺することが可能な力を持つ。

 それだけのアタッカー性能を持ちながら、専門はサポーターという、とんでもない有能ぶり。


 数だけ水増しした大味の烏合衆などでは決してない。

 ウムルを筆頭に、とんでもなく優れた化け物集団。

 あえて断言するのであれば、時代の荒波にもまれにもまれてきた、生粋のスペシャリストチーム。


 そんな彼らを見たセンは、

 フっと、ニヒルに微笑んで、


「なーんだ、たかが30体か。焦って損したぜ。こっちは、また、『100万体どころか、今度は、100億体でーす』みたいな『かまし』があるもんだろうと思ってビビっていたんだが……はっ、ウムルと、ウムル以下のザコ30体……たったそれだけか。ふふん」


 鼻で笑い飛ばすセン。

 その様は、とことん威風堂々。


「さて、と……それじゃあ、いいかげん、夜もふけて眠くなってきたことだし、とっとと終わらせようか。……教えてやるよ。神の王を……超えた力を」


 破格の威圧感。

 期待せずにはいられない『魂の厚み』を感じた。


 そのピリピリとした雰囲気に、

 さすがのウムルも、眉間にしわをよせた。

 何かが起こる――そんな予感がした。


 センは、


「刮目するがいい。これが、神の王を超えた力だ。――というわけで、大いなる田中さん、張り切って、どうぞ」


 そう言いながら、田中のために道を開ける。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ