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41話 疑心暗鬼の怖さ。


 41話 疑心暗鬼の怖さ。


 委員会は、時空桐作内限定だが、携帯ドラゴンに『武力的な意味で対抗』できるアイテムも、数こそ少ないし、使い捨て型ではあるが、一応、保有していないこともない。

 委員会の研究会に対する支配体制は、最低限ではあるが、一応、整っていた。

 ――が、カンツが、『現行の研究会リーダー』となったことで、『時空桐作の神話生物研究会』は、『誰にも制御できない組織』になってしまった。


 カンツだけでもしんどいのに、今期は、適正者が25人もいて、そのほぼ全員が、ワガママ勝手な自己中ばかりだったため、委員会は、『何かしらの対抗策が見つかるまで』は、おとなしくしておこうという結論になっていた。

 ちなみに、『時空桐作の神話生物研究会に所属する現役メンバー』というのは、基本的には多くても10人ぐらい。

 今年の現行メンバーは、数もスペックも、色々と異常。


 ――『現行メンバーの扱いに、卒業生たちが悩んでいた』……そんな折、『T・300人委員会』が台頭してきたため、神話生物対策委員会(卒業生たち)は混乱した。

 どうするべきかと悩んでいるうちに、神話生物対策委員会の中で、いくつかの意識の転換が起きた。


 謎の奇運が重なって、巨大組織になった『T・300人委員会』。

 実際のところは、奇運が暴走して、変に転がっただけの話なのだが、しかし、はたから見ている分には、『端倪すべからざる策略家の完璧な覇道』にしか見えなかった。


 T300人委員会の『支配者T』に対する妄想は、日に日に膨らみ続ける。

 『Tが放置を決め込んだタイミング』が、あまりに神がかっていた。

 神話生物対策委員会は、T300人委員会の内情を探り、どうにか、Tを見つけてあぶり出そうとしたが、しかし、その捜査網は、いつも、時空桐作の一般学生『田中シャインピース』で止まってしまう。

 親も親族も当人のスペックもふくめ、あまりにも凡人が過ぎる田中シャインピースが黒幕であるとは、どうしても考えられなかった神話生物対策委員会は、完全に、『T』を見失ってしまった。

 神話生物対策委員会は、一応、田中シャインピースの自宅に、デスノ〇トばりの監視カメラをしかけて探ってみたりもしたのだが、ちょうど、その時、田中は支配者としての活動を完全に停止していたため、手がかりは何も発見できなかった。

 ログをたどってみたところ、田中シャインピースが所有する端末のいくつかから『T300人委員会の所属メンバーとのメールのやり取り』なんかが散見されたが、そんなものは、最低限のクラッキング能力があればどうとでも出来る。


 むしろ、あまりに堂々としているので、神話生物対策委員会は、そのログに対し、『田中に罪をなすりつけようとしているのが見え見え』――という、うがった結論を出してしまった。

 『さらって拷問して吐かせる』という案も出たには出たのだが、変に賢い連中の集まりだったがゆえに、『無駄な労力を割いた無能』として扱われることを恐れ、誰も実行の責任者になることができなかった。



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