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30話 経験値の種類。


 30話 経験値の種類。


(予備動作のパターンが少ないんや。角度や大きさ変えとるだけで、実は同じテクスチャー。あれなら読める。次にあいつがとる選択肢と、その未来)


(……なんで、急に、天才性が復活してんの? 無能化してたんじゃないの?)


(……セン……お前と合体し、お前の記憶に触れたことで、色々なことが理解できた……)


 それは、覚醒の兆し。


 アウトプットの機能は、まだまだモヤでもかかっているみたいに、まったく稼働していないのだが、しかし、インプットの処理機能は、ギリギリ、稼働している様子。

 命の鉄火場で、センエースという異次元のバケモノの意識と統合されたことで、田中シャインピースを縛っていた鎖の一つがブチ破られる。


 持っていないものを開花させるのは難しいが、

 もともと持っていたものを取り戻すだけなら、

 『ちょっとしたキッカケ一つ』だけでも可能。


(センエース。あいつを経験値にしろ。この鉄火場で、お前の可能性をこじあけろ。サポートしてやる。ワシの武器になれ)


(ふざけるな、カスが。いっておくがな。俺は地球人やナメ〇ク星人や田中と手を組んで闘うぐらいなら、ひとりだけで闘って死んだほうがマシなんだ!)


 などと、否定の言葉を口にはしているものの、

 しかし、現状、田中に期待する以外に道がないので、

 センは、奥歯をかみしめながら、

 決して『了解の返事』は出さないまま、

 『イヤでイヤで仕方がない』というスタンスを崩さずに、

 『田中のサポート』を全力で享受する。


 ――事実として、ロイガーの動きはパターンが少ない。

 だから、どうにか、対応できた。


 現状は、RPGでいうところの、低レベル攻略。

 『エゲつない修羅』だけが挑戦できる、異次元のやりこみ要素。

 オルゴ〇ミーラをレベル1のマリ〇ルだけで処理しようとするような苦行。


 パターンの全てを完璧に読み切って、

 1から10まで完全な対応を果たすことで、ようやく見えてくる、ギリギリの勝機。


 そんな、ギリギリの鉄火場に溺れることで、『セン』の中でも、革命のきざしが見えてくる。

 失った戦闘力を取り戻すことはできていないが、

 しかし、『新しく積み上げてきたもの』が、着実に実りつつあった。


 経験値という概念には、二種類の方向性ある。

 一つは、命を狩り取ることで得られるもの。

 スライム一匹を倒したら経験値1を獲得し、10000匹倒したら、経験値10000を獲得するというもの(実際の計算式はもっと複雑。魂魄処理機構によって、殺した命の魂が処理される事によって、経験値が入る。その際、手に入る経験値の量は、『(回収した魂の量)×(回収時の危険度+その他無数の条件)』で計算される。だから、『強い味方の介護を受けた事によるパワーレベリング』では、さほど経験値は入らない)。


 前述したものは『狩り取った魂魄の量や、その状況』に応じて得られる数値。


 それとは違う、もう一つの経験値とは、

 死に際でみた絶望が、そのまま、器になるタイプのもの。

 簡単に言えば、『とてつもなく激しい戦闘』あるいは『エゲつない絶望』の中で折れずにあがいた者の魂にだけ宿るボーナスポイント。

 『サイ〇人は瀕死から復活したら強くなる』というのと、本質的には似たような概念。

 『極限状態を乗り越えた者が得るボーナス』は、この世界において、すべての生命体が有している権利の一つ。



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