27話 バカ野郎、この野郎。勘違いしないでよねっ!
27話 バカ野郎、この野郎。勘違いしないでよねっ!
(逆恨みじゃねぇええ! この俺という概念の奥底に渦巻く、正当な怒りと悲しみだ!)
(やかぁしぃんじゃ、くそかすがぁ! こんな、『精神中枢の最奥でケンカしまくっとる状態』で、魂魄がうまく機能するわけない! ほんまに、ほんまに、ほんまに、ええかげんにせぇよ、くそがぁああ!)
心の調和がとれていないから、当然のように、乱れ方が増している。
センエースの、『田中に対する憎悪(嫉妬)』は冗談ではなく本物。
――あるいは、『うまく折り合いがつけば、すべての凸と凹が華麗にかみあって大きな力になる』という可能性もゼロではないが、まだまだ感情の折り合いがついていない現状では、『センエースの田中に対する憤り』は、『魂魄をバラバラにさせる、ふぞろいの歪み』にしかなっていない。テト〇スで言えば、穴だらけで詰んでいる状態。
つまりは、『運動音痴と運動音痴が合体して、より、神経伝達が鈍くなる』という、ただただマイナスが爆発したのが現状。
どちらも、運動音痴と言えるほど、極端に感覚鈍麻なわけではない。
ただ、どちらも、『現状の基礎的な肉体能力が微妙』であることは事実であり、合体によって『真なるスーパーパワー』を引き出そうとすれば、それぞれが本来持つ『超人性』をブースターにしなければ話にならない。
センの方は、『常軌を逸した反復練習』を必須とし、
田中の方は、『肉体を完璧に制御する頭脳』を不可欠とする。
そのどちらもが足りていない現状では、
たんに、マイナスとマイナスがあわさって、ちょっと大きなマイナスになっただけ。
二つの生命エネルギーを混ぜたことで、存在値は、多少、上がっており、出力は確かに上がっているのだが、しかし、戦闘力の低下がハンパではないため、今回の合体は、明確に失敗と言わざるをえない。
ドラゴンボ〇ルのフュージョン失敗でデブやガリになったバージョンよりひどい状態、と言えば、現在のセンピースの状態が理解できるだろうか。
(てか、こんだけ時間たってんのに、まだ、ロイガーのやつ、動けてねぇじゃねぇか! 『天螺』、すげぇな! もはや、そっちで運を使いすぎて、他の部分の可能性が枯渇しているまであるぞ、これ!)
いまだに、ロイガーは、圧力に押し込められて、地面に這いつくばっている。
だが、その圧力も、徐々に薄くなってきているようで、
「うぎぎぎ……」
まったく動けない状態から、
ついには、ギリギリ、立ち上がることができるようになってきている。
(やばい、やばい、やばい! 流石に、そろそろ、効果が切れそう! どうする、どうする、どうするぅ! あいつが普通に動けるようになったら、完全に終わりだ! 田中! 考えろ! 逆転の一手を考えろ! ちなみに、俺が、お前に心を許して、『自由な一つ』になって大逆転というパターンは、ぶっちゃけ無理だから、それ以外の方法で頼む!)
(ただでさえどうしようもない状況やのに、その上で、『感情の折り合い一つもつけられんような足手まとい』の世話までせなあかんのか! 無理ゲーすぎるてぇ! てか、お前も、ちったぁ考えんかい! ワシとお前、頭脳レベル、ほとんど変わらへんのやから!)
(俺の頭脳レベルが、田中と同じ? バカ野郎、このやろう。そんなこと言われても、うれしくないんだからねっ♪ 勘違いしないでよね♪)
(もうええねん! 小ネタぶちこまんでええねん!)




