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13話 ソウルゲートがフリーパスになる夢のプラチナチケット。


 13話 ソウルゲートがフリーパスになる夢のプラチナチケット。


 アマルガメーションという魔法、魔カードというアイテム、

 どちらも、夢の中で、慣れ親しんでいるもの。

 だから、『どのぐらい使えないアイテムであるか』が一瞬で理解できた。

 当然のように絶望し、頭を抱えるセンさん。


(田中と合体したところで、2の戦力が3になるぐらい。現状だと、どっちも戦闘力がゴミだから、合体によるマイナスはほぼないに等しいが、700ぐらいの相手に、2を3にしたところで、なんもできん)


 ようやく見つけた、たった一つのアイテムがゴミ。

 その絶望に対して、センは、クラっときたが、

 しかし、すぐに、ギっと奥歯をかみしめて、


「つ、次だ……もうちょいマシなアイテムを――」


 と、新しいアイテムを探そうと足に力を込める。

 どれだけ絶望的な状況で、どれだけしんどくても、

 それでも、顎をあげて、世界をにらみつけることができる。

 その異常な特質性をいかんなく発揮して、

 センは、新たな可能性を求めて校舎を駆け抜ける。


 必死こいて、駆けずり回った結果、

 どうにか、また、


「よし、宝箱ぉ!」


 アイテムを一つ発見。

 蹴り飛ばすように宝箱をあけて、中身を奪い取る。


 手に入れたのは、

 『雷撃ランク1』の魔カード。


「ランク1ぃいいいいいい! てめぇえええええええ! おちょくってやがんのか、ごらぁあああああ!」


 思わず叫びながら、センは、怒りに身を任せ、その魔カードをメンコのように、地面へとたたきつける。

 パシィイインッ!

 という、いい音が校舎の中を駆け抜ける。


「魔カードいらぁああん! しょっぱい魔法が、一回使えたところで、どうにもならぁああん! 安い消費アイテムじゃなくて、なんか、強烈な装備品をよこせ! もしくは銀の鍵ぃい! あるいは、ソウルゲートがフリーパスになる夢のプラチナチケットォオオオ!」


 血走った目で、無茶な欲望を叫ぶセン。


「つぅか、俺ぐらいになったら、チケットなしでも、すでに顔パスでいけるんじゃねぇの、普通! どんだけのお得意様だと思ってんだ! 全人類、全歴史上を見渡してみても、ならぶ者がいない、ぶっちぎりのヘビーユーザー様だぞ、この俺様はぁああ! 優待券の一枚でも贈ってくるのが常識的な礼儀ってもんだろうが、ボケぇええええ!」


 などと叫んでいると、

 背後から、


「まだ、死体の山が、一つも出来上がっていないようだが、いったい何をしているのかな?」


 と、声が聞こえて、

 センは、ビクゥっと、体をこわばらせる。

 ソォっと、声がする方に視線を向けて、


「いやぁ、俺もね……はやく、死体の山をズラっと、こしらえたいんですよ。山どころか、タワーにしたいと考えているんですよ。全人類に死と絶望を巻き散らかして、俺という悪夢で、この世に存在する恐怖という概念の全てを埋め尽くしたいと思っているんですよ。その作業を出来るだけ効率化させるにはどうしたらいいかと、悩みぬいた結果、こうして、サポートアイテムを探すに至っている、という、そういう、合理的な現状が今というアレな感じなわけですよ。わかりますよね。当然。へっへ」



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