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11話 唯一の可能性が、煽り厨としての煌めき。


 11話 唯一の可能性が、煽り厨としての煌めき。


「いったぁ……」


 鉄を殴ったみたいに、ビクともしないし、こっちの腕がビリビリと痺れるばかり。

 腕の痛みにもだえているセンに、ロイガーは、


「どうした? もしかして、もう休憩か? 必死にあがくのであれば、それを見てやらんこともないが、しかし、ただ休むだけなら、殺すぞ? さて、どうする?」


「うっせぇなぁ……言われなくても、止まる気はねぇよ。黙って、俺に殴られておけ。それとも、もしかして、あれか? ビビってんのか? 俺の拳が、思ったよりも遥かなる高みにあったから、普通にちょっと怖くなってんのか? あん?」


「なかなか見事な挑発ぶりだ。正式にカチンとくる。貴様には、センスと才能がある」


「……ほかに何の取り柄も才能もない俺に、唯一あった可能性が、煽り厨としての煌めきだったとは……ほんと、俺の人生って、常に、ナイトメアマストダイの向こう側ぁ」


 ファントムトークで、一瞬だけお茶を濁してから、

 センは、拳に力を込めた。


「だぁりゃぁあああああああああああああああ!」


 全力で殴る。

 とにかく全力で。


「どら、どら、どらぁあああっ! ふんぬらばぁああ! いってぇな、ちくしょぉお! 泣いていいかぁああああ?! もう泣いてるけどねぇええええ!」


 ダメージなんか、当然、与えられていないし、

 殴るたびに、センの腕の方がどんどん壊れていっている。


 指の骨のほとんどが砕けていて、

 毎秒、とんでもない激痛が走っているが、

 しかし、それでも、センは止まらずに、泣きながら、殴り続ける。


 真っ赤に晴れている拳を見つめながら、

 ロイガーは、


「よくもまあ、そんなぐちゃぐちゃな手で殴れるものだな。流石に、少しだけ感心するぞ」


「どうだ、かわいそうだろぉおお! この紅葉したモミジのような手に免じて、今回ばかりは、ちょっとお帰りいただくとか、そういう感じのアレは無理ですかねぇええええ!」


「殴るのはもう終わりか? では、頭を吹っ飛ばすが?」


「ひぃーん!」


 と、さらにギャン泣きしながら、センは、ズキズキと痛む拳を握りしめて、必死に、ロイガーを殴り続ける。

 当然、ダメージなど、いまだにゼロのまま。

 無意味に、センの拳がズタボロになっていくだけ。

 苦しんでいるセンに、


「そうだな、確かに頑張っていることだし……一つだけ、貴様に『救いの条件』を出してやろう」


「え、マジすか?」


 パァっと明るい顔になるセンに、

 ロイガーは、たんたんと、


「今日中に、全人類の死体を、ここに積み上げろ。そうすれば、貴様の命だけは助けてやる」


「ムッズ! ムズいてぇ! それが出来るだけの力があるなら、もうちょっと、お前に抵抗できるだろう! やらんとは言わんから、難易度を緩和してくれ! さすがに、ムリやてぇ!」


「それを可能とするだけの力はくれてやる」


 そう言いながら、ロイガーは、アイテムボックスから一本の剣をとりだす。


「これは、私の剣だ。私の魔力とオーラが込められている。脆弱な人間程度なら、1・2時間ほどで全滅させることが可能だろう」


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