表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
707/1228

10話 チン〇スみたいなプランだな。


 10話 チン〇スみたいなプランだな。


「さぁて、どうしようか……困り果てたな……田中、プランをくれ。お前が横にいると、つい安心して、思考放棄してしまう。その責任をとれ。全部、お前が悪いんだから、お前がなんとかしろ。俺は悪くない。俺は何も悪くない」


 続けて、田中も、チェンソーを投げ捨てて、


「……イカれたことばっかり言いくさりやがって、ほんまに……」


 と、一度、呆れてから、


「……一人が、あの化け物を引き付けとる間に、もう一人が、学校の中を探索して、なんか逆転のアイテムを見つけてくる……それぐらいしか思いつかん」


「はっ。チン〇スみたいなプランだな。田中の名が泣くぞ。そんなんだから、お前はアレなんだ。何がどうとは言えんけど」


「ほな、おどれが、もっとええプランを出せや、ごらぁ」


「そうだな……じゃあ、フラッシュアイディアなんだが、こういうのはどうだ? 俺がロイガーを引き付けている間に、お前が、校舎を探索して、何か、一発逆転のアイテムを探してくる」


「……」


「どうやら、俺の鬼策がハンパなさすぎて、ぐうの音も出ないようだな」


「……うん、もちろん、そうやで。うん」


「なんだ、そのツラは。言いたいことがあるなら聞こうじゃないか」


「いや、やめとく。たぶん、これ以上、会議を続けたら、ロイガーより先にワシがお前を殺してまうから」


 つつがなく、極めてスムーズに結論がまとまったところで、

 センがバキバキっと体の関節を鳴らし、


「さぁて……ほな、『夢の中で、神の王にまで上り詰めた男の根性』を、魅せつけてやろうか」


 そう言いながら、センは、ロイガーの元へと歩いていく。


「田中との会議中、黙って待ってくれていたこと、感謝するぜ。お前、なかなか、道理が分かっているじゃねぇか。『ニチアサ適正あり』の判定をくれてやろう」


「もう少し、待ってやってもよかったんだぞ。どうせ、何をしたところで無駄なのだから」


「気前がいいねぇ。じゃあ、ちょっと俺の武に付き合ってくれや」


 トントンと、片足ジャンプで重心のバランスを整えて、


「そうだな……五分間、俺の猛攻に耐えることが出来たら、褒めてやるよ。この俺に褒めてもらえるなんて、そうそうないぞ。その権利を放棄するのは、ちょっとどうかなぁ、と俺なんかは思うわけだが、そのへん、いかがか?」


「くくく……まあ、別にかまわんよ。好きにあがけ。そして、何をどうしようと、絶対に超えられない壁に狂え」


「……助かるぅ。慎重派の賢者じゃなく、ナメプ癖のある馬鹿で、ほんとありがたい」


 と、最後に、トドメの煽りをいれた上で、

 センは、握りしめた拳を、ロイガーの胸部へと叩き込む。


 思いっきり集中して殴ってみたのだが、

 しかし、


「いったぁ……」


 鉄を殴ったみたいに、ビクともしないし、

 こっちの腕がビリビリと痺れるばかり。


 腕の痛みにもだえているセンに、ロイガーは、


「どうした? もしかして、もう休憩か? 必死にあがくのであれば、それを見てやらんこともないが、しかし、ただ休むだけなら、殺すぞ? さて、どうする?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ