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109話 頭にパンツかぶったブタ以下。


 109話 頭にパンツかぶったブタ以下。


「きっと、夜になったら、この学校に何か変なのが湧いて、それを、特待生たちが狩っているだろうと推測し、たぶん、苦戦しているだろうから、おそらく、俺の力が必要になる可能性がなくもないと思い、こうして、一も二もなく、はせ参じたわけだ。いじらしかろう? 胸打たれて、むせび泣く許可をやろう」


「……『きっと』、『推測』、『たぶん』、『可能性がなくもない』、『だろう』、『おそらく』…………前提が全部、予想でしかないんやけど……おどれ、それ、マジでいうとるんちゃうよな? ただのボケやんな?」


「いや、今のセリフの中にボケはない。『基本ラリったことしか言わないので、会話する価値が1ミリもないことでおなじみ』のセンさんだが、さっきのセリフだけは、数少ない、真剣でまっすぐなセリフだった。えっへん」


「…………いや、うん……まあ、ええわ……『おどれの奇抜さ』を『鬱陶しく思うだけ無駄や』ということはよくわかった。それよりも、建設的な話し合いをしよう。この学校に、何か妙なもんが湧くという推測をあてとることが、現状の大問題。なんで、そう思ったんか、その辺、ちょっと詳しく聞かせてくれ。もちろん、外に出てからな」



 ★



 いったん、学校の外に出て、近くのコンビニのイートインに落ち着いた田中とセン。


 それなりの時間をかけて、センの『夢』の話を聞いた田中は、

 数秒、頭の中で、モノを考えてから、


「なかなか興味深い話やな……もし、その夢が、ただの妄想やなく、予知夢的な何かやったとしたら……確かに、おそらく、あの妙な化け物どもを、特待生の連中が夜な夜な狩っとる可能性はある……」


「そう。だから、俺は助けにいったわけだ。まあ、クソの役にも立たなかったわけだが。まさか、戦闘力まで根こそぎお亡くなりになっているとは思わなかった。前に、夢の中で、同じような状況になった時は、なんとか、戦闘力だけは維持していたんだが……」


 と言いながら、センは、先ほど購入したホットミルクを口に運ぶ。

 フーフーして一口。

 ホっと一息ついてから、


「俺、今、家に帰ってのんびりミルクを飲んでいやがるなぁ……まあ、家ではないが……いやぁ、しかし、まさか、俺がクリ○ン枠になるとはなぁ……いや、クリ○ンですらないな。農家のおじさん級……いや、猟銃がないから、それ以下か……変身できないから、ウ○ロン以下……頭にパンツかぶったブタ以下が、今の俺のポジションかぁ……泣けるねぇ……」


 などと、わけの分からないことをほざいているセンの視線の先で、

 田中は、頭をフル稼働させている。

 しばらく、悩んだものの、


「……んー……ダメやな……色々と、考えてみたけど、よぉわからん」


 と、何一つ、答えを導き出せずに終わった。

 そんな田中に、センは、渋い顔で、


「はぁ? なんもわからんだと? ナメてんのか? てめぇ、それでも田中か? 田中と言えば、アレだろ。超天才で、どんな難解な事象にも、秒で快刀乱麻の『真実はいつも一つ』を決め込むバランスブレイカー枠だろ。サボるなよ。自分の仕事を全うしろ。バカみたいな賢さで、さっさと明瞭な答えをだしやがれ、バカが」



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