102話 もれなく全員おかしい女子チーム。
102話 もれなく全員おかしい女子チーム。
「あんたの、その、そこらの一般女子みたいな、周りに気を使いまくっているところ、マジでキモいんだよ! 特待生なんだから、特待生らしく、不遜に構えてろ! クウリュートやカーミライムを見習え! あいつらは凄いぞ! 『世界一の美女』や『銀河の支配者』を自称する、本物の馬鹿女どもだ! あたしら特待生は、そのぐらい頭おかしいのでいいんだよ!」
と、そこで、クウリュートが、
「急に、こっちにまで飛び火してきたけど、ぼくは、事実を口にしているだけで、頭はおかしくないよ。ぼくの美貌が世界一であることなんか、誰の目にも明らかなただの事実。カンパネルラも、カーミライムも、相当な美少女だけど、ぼくの前では、月と比べられるスッポンに成り下がってしまう。その点、すごく可哀そうだとは思うけれど、でも、仕方がないよね。ぼくが美しすぎるのは、ぼくの責任ではないし」
「その発言に、あんたのヤバさが集約されている――ということに、気付けていないところが、あんたの一番ヤバいところ」
と、吐き捨てた直後、
カーミライムが、
「クウリュートは頭おかしいですけど、わらわは、まったくもって正常ですわよ。わらわが、正当なる銀河の支配者であることは、ただの事実。あなた達が有能なシードであることは認めるにやぶさかではありませんが、しかし、わらわと比べれば、王と奴隷ほどの差がありますわ。それほどまでに格別の資質を有しているわらわの威光に、ずっと触れられている幸運を、ちゃんとかみしめてもらいたい――わらわの、あなた方に対する要求はそれだけ。ほら、全然、頭おかしくありませんわ」
「うん、というわけで、あんたが一番、頭おかしい」
ハッキリと断言していくアンドレ。
頭おかしいバカ女どもに囲まれて辟易顔。
と、そこで、アンドレは、
ずっと黙って座っているミネディに視線を向けて、
「つぅか、いい加減、あんたもなんか喋れや、ミネディ! あんた、目がイってるから、黙って座っていられると、怖すぎてたまらないんだけど!」
と、言われたミネディは、
その『イっちゃっているとしか思えない目』をアンドレに向けて、
「………………喋る事……特にないから」
ボソっと、それだけ言うと、
視線を、虚空に戻して、またダンマリを決め込む。
その態度にイラっとしたアンドレは、
「女子同士のおしゃべりに、『喋ることがあるかないか』とか、どうでもいいんだよ! 基本的に、中身なんかなんもねぇよ! お互いに、言いたいことを言い散らかしているだけが、あーしらの会話! というわけで、何か言え! 言いたくなくても、なんか言え!」
そんなアンドレの言動に、クウリュートが、
「きゃー、パワハラ女だわぁ……怖ぁい、いやぁん」
「ぶりっこすんな、殺すぞ! あーしは、ぶりっこ女が、ゴキブリと同じぐらい嫌いなんだ!」
そこで、ミネディが、
その視線を、虚空から、アンドレにうつして、
「………………殺すって言葉は、安易に使わない方がいい……わたしが反応しちゃうから……」
そう言いながら、ペロっと、自分の唇をなめるミネディ。




