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77話 センエースとカミノの異常性。


 77話 センエースとカミノの異常性。


「俺は有能だからね。多角的に情報を共有し、お互いを高め合う双方向性の関係性。それを構築したいと考えている」


「おう。前向きに善処する方向性で検討する余地がある、と思える可能性がある気がするから、今後を見据えたアジェンダを作成するベクトルで、未来志向を見据えてみるかもしれんわ」


 と、ちょっと何言っているかわかんないことを口にした。

 そこに被せるようにして、紙野が、


「だから、何度も言わせんなや、ゴーストライトさんよぉ。マウントシーンにおいて、お前と俺は、生まれた時からのツーカーだよ。カンツもアクバートもジャクリナもドナも、全員、俺の比類なき親友さ。今後の人生において、ナンパするときも、営業するときも、詐欺を働こうと考えるときも、『もっとも大事で強固な繋がりを築いた親友』という扱いで、便利に活用させてもらうつもりだから、そのつもりで」


 と、だいぶトチ狂ったことを口にした。


 そんな二人を横目に、

 ヒッキが、


「く、くくく……ひひひ……」


 と、腹を抱えて笑いながら、


「ゴーストライト、諦めた方がいいよ。こいつら、やべぇわ。ガチでファッションじゃなく本物の領域にいるやつらだ。面構えが違う」


「つまり、お前と同じってわけか、ヒッキ」


「いやいや、こいつらと比べたら、私なんて、ほんと、ファッションもいいところだよ。私の場合、交友領域がパートナー単騎で100%うまっているってだけで、彼女がいなければ、たぶん、普通に友達もつくるだろうからね」


 などと、そんなことを口にしたヒッキに、

 センは、『鬼でも殺しそうな顔』をして、


「てめぇ、ノロけたか? 今、俺の前で、ノロけたかぁああ! 貴様ぁあああ!」


 と、ゴリゴリにハジけていく。

 そんなセンの横にいる紙野が、


「ヒッキ! 酷だぞ、お前! 『永遠童貞が確定している飛べないゴキブリ』を前にして、彼女自慢とか、人間のすることか! この外道! 畜生! お前は、『センエース(這いずるゴキブリ)』にすら劣る非道な化け物だ! センエースがかわいそう! ああ、かわいそう!」


「紙野、ちょっと、お前、こっちこい。そして、かかってこい。ちゃんと、殺してやるから」


 そんな三人のやりとりを横目に、

 ゴーストライトが、


「いいなぁ……お前ら、本当に、質が高いなぁ。3人とも、俺のステータスを高めるために、ぜひ、欲しいんだけどなぁ……」


 などと、『上がりそうな株のチャート』でも見つめているような顔で、ボソっとつぶやいた。



 ★



 体育は2時限分(50分×2)がまとめて行われる。

 前半の50分で行われた試合ではカンツたちとチームを組んだセン。

 後半の50分では、

 クマートゥ、ダリィ、スカー、グレイの四人がチームメイト。

 そして、相手は、特待生女子全員という華やかさが天元突破しているチーム。


 身体特徴的に、パワーやスピードなどの基礎運動能力においては、女子よりも男子の方が勝ってしまうことは、生物学的なデータ上の事実である――のだが、しかし、特待生女子チームは、話がまるで違った。


 女子チームの、『試合前練習風景』を見つめながら、

 センのチームメイトであるグレイが、ボソっと、


「こっちも、全員、特待生にしてくれよ……それでも、勝てるかどうかわかんねぇんだからさぁ……はぁ……」


 と、しんどそうに溜息をつく。


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