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76話 ゴーストライトは、ゴーストライトでヤバいやつ。


 76話 ゴーストライトは、ゴーストライトでヤバいやつ。


「とも……だち……? えっと、俺は、それが食べられるかどうか聞けばいいのかな?」


「ゴーストライト、お前はすでに俺の友達だよ。俺とお前らは、『俺限定でメリットがある不平等条約的な利害関係』という『あったかい絆』で結ばれた『心のイマジナリーフレンド』だから」


 などとのたまう『やべぇ二人』の対応を前にして、

 その趨勢を、静かに見守っていたヒッキが、

 ボソっと、


「ははは。どっちもゴミだな」


 と、素直に思ったことを口にしていた。


 その間も、ルギルは普通に寝ている。

 何でそんなに眠たいのか知らないが、

 とにかく、ルギルは、基本寝ている。


 ――そこで、ゴーストライトが、楽しそうに笑いながら、


「もしかして、ニーサンら、『友達はつくらない主義』ってやつ? へぇ、ウワサでは聞いたことあったけど、本当にいるんだ、そういう人種。それって、なんの得があるの? 『縦軸の人間関係』は、確かに、色々と厄介なこともあるけど、『横軸の人間関係』なんて、構築しておいて不利益になることは少なくない? 悪友だって、バカやハサミと同じで使い様。ようは、自分の力量しだいってわけさ。自分磨きさえ徹底していれば、人間関係で足を引っ張られることなんてない。『ただただ有利になるだけの便利なツール』。高みを求めるなら、構築しておくべきネットワークであって、そこをシカトするのは怠慢だと思うのだけれど?」


 などと、かなり意識の高い事を口にするゴーストライト。

 彼は、自分磨きを怠らない。

 『徹底的に己のステータスを高める』という生き方をチョイスした求道者。

 『口だけの意識高い系』ではなく、ガチで意識が鬼のように高い男。


 ゴーストライトが、センと紙野に、交友関係を求めたのは、『遊び仲間』が欲しかったからでも、『ダベる相手』が欲しかったからでもない。

 ――『こいつらは、将来的に、使えるかもしれない』と思ったから、ツバをつけようとしただけの話。


 『ちょっとした対話や、会話の中身』から、『こいつらはただの無能ではない』と敏感に察知したから、自分の『交友関係』というステータスを高めるための肥やしとして利用しようとした。

 それが真実。


 『なんの価値もなさそうな無能』を前にした時、

 ゴーストライトは、普通に丁寧なシカトを決め込む。


 ある意味で現金だし、ある意味で実直。

 それが彼、ゴーストライト・ソメイリマン。


「というわけで、俺と友達になろうよ。心配しなくても、俺が、君らの足を引っ張ることはないよ。俺は有能だからね。多角的に情報を共有し、お互いを高め合う双方向性の関係性。それを構築したいと考えている」


 スラスラと、淀みなく、両手でろくろをまわしながら、頭の回転速度がうかがえる早口で、そうまくしたてたゴーストライトに、センは、ニコっと、快活な笑みを浮かべて、


「おう。前向きに善処する方向性で検討する余地がある、と思える可能性がある気がするから、今後を見据えたアジェンダを作成するベクトルで、未来志向を見据えてみるかもしれんわ」


 と、ちょっと何言っているかわかんないことを口にした。


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