表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
637/1228

53話 やばい状況。


 53話 やばい状況。


 全員が乗り込んだのを確認してから、カンツが、エレベーターを起動させるレバーを引いた。すると、ギュオンギュオンと音が響き渡り、そのまま、


「……っっ……っ???!!!」


 その場にいる25人が一斉に気を失った。


「うざぁ、もぉ……当然のようにワナ……しかも、かなりやべぇランク……っ!!」


 センだけは、ギリギリのところで、


(や、やべぇ……落ちる……意識が消える……ダメだ……こいつらの保護者である俺が、気絶するわけにはいかねぇっ! お、落ちるなぁあああああっ!)


 『センエースエンジン(根性)』という『規格外のチート』をフルで活用して、

 どうにか、このやばすぎる現状に耐えるセン。


 そんなセンの背後に、

 ジオメトリが出現して、




「……いやいや……耐えるなよ……てか、なんで、耐えられるんだよ……どうなってんだよ、お前の根性……『どんなチートを使っても無理な不可能』を、根性だけで可能にするなよ、勘弁してくれ」




 ジオメトリの奥から現れた『青年』が、『踏ん張っているセン』を見つめながら、


「ほんと、マジで……なんで? タワー1とタワー2を使って、徹底的に体力を削ったのに……そんな、体力カラカラの状態で……それも、今回使ったのは、かなりガチめのデバッグコマンドだぜ? 普通に考えたら、耐えられるワケないんだけど? お前、ほんと、おかしいよ?」


「……ふぅ……ふぅ……ひぃ……ひぃ……ぐぅ……カミノォ……」


「そうです。私がP型カミノ3号さんです……でも、そんなことは今、どうでもいいよ。俺は、今、目の前で起きている、この異常な奇跡について、とりあえず、ドン引いておきたい……いやぁ、ほんと……お前、おかしい」


「……こいつらに……何をしたぁ……」


 バチギレの顔でそう問いかけられたカミノは、


「気絶させて、フラグメントを回収した。これから、お前と十席には、俺が『再構築した、もう一つの世界』に入ってもらう。セレナーデとラプソディの融合世界。めちゃくちゃな音になりそうなのに、意外と調和していた。音楽の世界では、往々にして、そんなことがありえる。知らんけど」


「……てめぇ……何がしたいん……だよ……」


「最初からずっと言っているだろ。お前の望みを叶えてやっているんだよ」


「……」


「もっと、もっと、強くなれ。センエース。……そうじゃないと……ちょっと、まずいことになるかもしれねぇから……」


「……ぁあ……?」


「ヌルが思った以上に膨張していたんだ……正直、サクっと封印できると思っていた……ナメていた……もしかしたら、このまま、はじき返されるかも……いや、もしかしたらというか……多分……返される……」


「……」


「ヌルをナメていた。ナメすぎていた……で、今になって思うんだけど……それが、あいつの能力の一つなんじゃないかと思う。『敵に過剰なほど己をナメさせる』という能力……これは、アホみたいだけど、よくよく深く考えてみると、かなり厄介な能力だ……こちらに『万全』や『警戒』を許さない資質……『足元をすくう』ことに特化した力。たぶん、テンドーの戦略的資質を、自身のパッシブへと昇華させている。その上で、セイバーの『脆さ』をコーティング……かなり特殊だが、いいビルドをしているよ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ