表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

636/1228

52話 俺、いらんなぁ。


 52話 俺、いらんなぁ。


 そこらの一般人なら、手がかりを一つ見つけるだけでも数年を必要とするであろう『隠し扉』を、あっさりと発見していく十席の面々。

 ほかにも、いくつか、この空間内には、隠されていた情報があったのだが、その全てを、サクサクと、発見していく天才集団。

 そして、集まったすべての情報を、端的かつ的確に、センへと報告。


 十席が集めた詳細を吟味したセンは、


(……やっぱ、こいつらすげぇなぁ……)


 と、自分の配下の有能さにホクホク顔でご満悦になる。


(こいつらと、九華と、五聖と三至が手足を担い……その上で、『頭』をシューリが担当すれば、ゼノリカは完璧……で、『数値的に、どうしようもない強大な敵』が出てきた時は、トウシ&ソンキーに任せれば問題はない……うん、俺、いらんなぁ……)


 『層の厚さ』を改めて実感するセン。


(ソンキーでもしんどいような『ヤベェ敵』が出てきた時に、最終兵器中の最終兵器として、チョコっとワンポイント起用されるぐらいの立ち位置が、俺的には、一番望ましい。もっといえば、『究極融合戦士センキー』用の合体パーツ扱い……そのぐらいのポジションが、正直、一番、おいしくて、かつ、楽でいい……うん……)


 センは、未来について思いをはせる。

 将来的には、ゼノリカの面々から、センエースに関する記憶を根こそぎ奪うつもりでいるセン。


 その上で、ゼノリカから自分の『席』を抹消して、本当にやばいときだけ、ちょびっとだけ顔を出す『影の実力者』のポジションにつこう――というのが、センの現時点における最大目標。


(影の実力者として、誰にも正体を知られることなく、ちょいとした面倒事だけを、歯車の一つとして、ちょくちょく解決しつつ、世界を完璧に循環させるエネルギーの開発に着手……完璧な未来だ……)


 多くの絶望を乗り越え、

 ありとあらゆる領域の頂点にたった男が、

 最後にのぞんだのは『影の実力者』だった。


 なんとも数奇な話である。

 このセンの思想を、

 欲がないとみるか、

 堕落しているとみるか、

 それは、見る人の視点によって異なるだろう。


「陛下、隠し扉の奥にはエレベーターがありました。どうなさいますか?」


「できたら、まずは、俺一人で行きたいんだけど――」


「ありえません」


「だよねー」


 そう言われるのは分かっていたことなので、

 センも、特に反論せず、


「けど、誰かをカナリアにするのは、気分的な意味で、あまりよろしくない……というわけで、全員でいこう……ちなみに、そのエレベーターは、25人@1が入れるサイズか?」


「かなり大きいので、問題ないかと」


「よし……じゃあ、いこうか……」


 センの号令に従い、全員が、躊躇なく、エレベーターに乗り込む。

 基本的な標準サイズのエレベーターの、ざっと5倍ぐらいのサイズ。

 だいたい、30人ぐらいは楽に乗れる広さなので、ギュウギュウ詰めといった感じではない。


 全員が乗り込んだのを確認してから、

 カンツが、エレベーターを起動させるレバーを引いた。


 すると、

 ギュオンギュオンと音が響き渡り、

 そのまま、


「……っっ……っ???!!!」


 その場にいる25人が一斉に気を失った。


「うざぁ、もぉ……当然のようにワナ……しかも、かなりやべぇランク……っ!!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ