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51話 超絶優秀な十席の皆さま。


 51話 超絶優秀な十席の皆さま。


 バキバキの目で、『全部お任せあれ』と胸を叩くカンツに対し、

 センは、ぶっちゃけ、『ありがてぇ』と思っているが、


「俺の獲物を全部かっさらおうって? 相変わらずの大胆さだな。本来であれば、そんな勝手は許さないところだが……その大胆不敵さに免じて、今回ばかりは、お前らに手柄を譲ろう」


「ありがたき幸せ」


 などと、フワフワした会話を経て、

 センと愉快な仲間たちは、タワーの中へと潜入した。


(頼むから、面倒くさい敵出てくるなよぉ……これまでと同程度か、最悪、ちょっと上ぐらいの『P型カミノ3号』でお茶を濁してくれ。……お願いですから、まったく別ベクトルの『やべぇパターン』とかは勘弁してくだせぇ。いや、マジで、もうほんと疲れたから、今回ばかりは、ヌルい絶望にしてくれ。しんどい絶望は、もう嫌だ……スリザ○ンは嫌だ……スリザ○ンは嫌だ)


 などと、内心ではビクビクしながら、

 しかし、十席の前なので、そんな様子は表面では出さず、

 堂々と、前へ、前へと、進んでいく。


 ――『カッコ悪い内面はすでに見られているのだから、もうカッコつけなくていいだろう』という『諦め』があるのと同時に、『みっともない姿は、なるべく見せたくない』という『見栄』もある。

 そんな、相反する二つの感情を持つ、どこまでも人間的な男――それが、センエース。



 ★



 ――第三のタワーの中に入ると、

 ソコは、それまでの第一・第二のタワーとはまったく違う構造になっていた。


 『限定空間の魔法』を使われた時のように、

 『ここに入ってくるための扉』以外は何もない、真っ白な空間。


 警戒心をマックスにした状態で、

 センは、中を探索しようとする。


 そんなセンに、カンツが、


「お待ちを。カナリアは、我々にお任せあれ」


 普段なら反発するところだが、


(……言い争う体力の方が無駄か……『何かしらのワナが発動する』みたいな、最悪の状況が発生したら、その時、俺の体を盾にすればいい……)


 と、省エネ重視の諦観で、


「わかった。任せる」


 と、素直に対応。


 仕事を任命された十席の面々は、

 全員、『やべぇ狂信者の目』で、一斉に、そろって返事をした。

 その直後、それぞれが、自身にできる全てを賭して、

 この空間の内部を、すみずみまで調べあげていく。


 十席のメンツは、職業的にもバラエティ豊か。

 『イカれた強者』しか、十席まで上り詰めることはできないので、

 『戦闘職中心の戦闘狂』が多いのは事実だが、

 サブ職業で、情報系、隠密系、探索系、クラフト系など、

 様々な多角的スキルを抑えている者も多い。


 ほんの十数秒で、空間内のありとあらゆる情報を調べ尽くした十席の面々。

 真っ白で何もないように思えたが、実は、いくつかの暗号が隠されていた。

 魔法で不可視化状態にされていたが、その手のものを見抜くのが得意な者も多いので、秒で発見、そして解読。

 そこらの一般人なら、手がかりを一つ見つけるだけでも数年を必要とするであろう『隠し扉』を、あっさりと発見。

 ほかにも、いくつか、この空間内には、隠されていた情報があったのだが、その全てを、サクサクと、発見していく天才集団。

 そして、集まったすべての情報を、端的かつ的確に、センへと報告。




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