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46話 センエースにとって大事なものを、センエースが諦める可能性。


 46話 センエースにとって大事なものを、センエースが諦める可能性。


(なんか、よくわかんねぇけど……たぶん、ダメなんだよ……このままじゃ……何がダメなのか、正直、ちょっとよくわかんねぇんだけど……けど、俺の奥にある警戒心が、叫んでいる……アホみたいに長く、絶望と向き合ってきた経験が叫んでいるんだよ……『これじゃあ、ダメだ』って……それじゃあ、届かねぇって……詳細は不明だし、論理のカケラも説明できねぇけど……これは、確信だ……核心でもあると思う……)


(抽象的過ぎるな)


(けど、俺にとっては大事なものだ。俺が、『俺にとっては大事なもの』を簡単に諦めると思うか?)


 センエースが、『センエースにとって大事なもの』を守るために、どれだけ、しつこく食らいつくか――そのことを、ヨグは知っている。

 絶対にあきらめない理想のヒーロー。

 そんな『すべての命が祈った希望』とも呼ぶべき『極致』に達している彼の意地を、

 自分ごときに、どうにかできるものではない、

 と、改めて悟ったヨグは、


(……まったく……面倒くさいヒーローだ……)


 最後にそうつぶやいた。

 そこに込められた感情はあまりにも複雑で、

 どうあがいても、一言で表すことは不可能。

 一言では表せないどころか、日本語という不完全な言語形式では、どれだけの言葉を用いたとして表現しきれない。

 もっと言えば、神字を使ったとしても、完全な再現は不可能。

 けど、それは、『ヨグの気持ち』だけの特別ではなく、なんだって、実はそう。

 『心をもってしまった知的生命体』の感情論は、あまりにも複雑怪奇。



 ★



 五聖命王の一人『異守界理』の全体バフを受けた五聖と九華の面々は、爆裂に強化されていた。

 閃化に界理ブーストに、『自分は、今、センエースの盾と剣になれている』という強い自己肯定感と高揚感と全能感の中にいる面々。


 『センエースの敵』が、自分達よりも『はるかに高い数値』を誇っているということは、もう、十分に理解できている。

 だから、その絶対的かつ屈辱的な事実を前提にした上で、ここにいる全員が、己のビルドを見直している。

 『圧倒的強者』相手に、少しでも『爪痕』を残せるように。

 そのためだけに全振りした構築。


 ――汎用性とか、継続戦闘能力とか、

 そういう『地に足がついた部分』は、また、あとで考えるとして、

 とりあえず、今は、『強大な敵に、一発かませるか否か』だけを考えている五聖と九華。



 最大級の火力を出せる『才藤麗理』と『ジャミ・ラストローズ・B・アトラー』の二名に、ほとんどの強化リソースを注ぎ、他のメンツは、タンク要員、デバフ要員として支える。



 とにかく、少しでも、

 敵に『削り』をいれるため、

 全員が、がむしゃらに、

 P型カミノ2号の殲滅に挑む。


 ちなみに、P型カミノ2号は、1号よりも手数が多いタイプで、

 P型キメラ2号と、P型セイバーリッチ2号を召喚するのはもちろんのこと、

 ほかにも、P型ミシャンドラやP型超苺という、謎の召喚獣も繰り出してきた。


 その後半の二人の『名前』に対して、センは、


(ミシャンドラに超苺こいちご? ……え、ミシャと超苺のことか? こんな珍しい名前が、無意味にかぶるなんてことないよな……)


 自分の配下である『ミシャ』。

 そして、神界の深層での『知り合い』である『超苺』。


 センが知るその二人は、どっちも、女性なのだが、

 目の前にいる、P型のミシャンドラと超苺は男性。

 性別はことなるし、見た目もかなり違うのだが、


(……なんとなく……似ている? 似ているというか……要素をもっている……って感じか? 二人のデータを元に、再構築した召喚獣……みたいな感じ?)



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