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40話 大胆なルッキズム。


 40話 大胆なルッキズム。


 セイバーとキメラの寸劇を、センの後ろから見ていた『平』が、

 ボソっと、


「師よ……あの茶番は、もしや……」


「ん? ああ、そうだよ。俺の奥義である『センダーランド』と同じ技……つまり、儀式で積んでんだよ……」


 現状の『正確な理解』に届いているセンは、

 セイバーに対して、


「おい、本当に味方になってくれるのか? だとしたら、非常にありがたいんだが?」


 と、無意味と分かっていつつも、一応、そう声をかけると、


「ことわる。私は常に、カワイイ女の子の味方だ」


「かわいい女の子なら、世界一級が、あそこにいるぞ。味方になってくれよ」


 と、後ろにいるミシャを親指で指すセン。

 ミシャをチラ見したセイバーリッチは、


「幼女趣味はない。それに、俺は『足の長い女』が好きなんだ」


「……このご時世に、よくもまあ、そこまで大胆なルッキズムを……神をも畏れぬ諸行よ」


 などと、ファントムトークの応酬をしつつ、

 センは、武を構える。


「……そろそろ、茶番のアリア・ギアスは終わりでいいだろ? 本格的に殺し合おうや」


「積むまで待ってくれるとは、お優しいねぇ」


「こっちは、まだタワーを二つ攻略しないといけないんでねぇ。相手の上限を見ておいた方が、のちのちの対策になる。初手から切り札を魅せてくれるおバカさんを止めるほど優しくはねぇってだけの話」


 などと言葉を交わし合ってから、

 カミノとセンの死闘は再開された。


 茶番を積んだことで、

 キメラとセイバーの力が底上げされた。

 それぞれ、切り札を使えるようになり、

 強力な魔法やグリムアーツを、バンバン放ってくる。


(できるだけ、体力を温存しておきたかったんだが……これは……とどめを刺そうと思うと、究極超神化3ぐらいにはならないとダルいか……それ以下の変身だと、スペックが足りなくて、削り切るのに時間がかかって本末転倒……それ以上の変身だと、消耗速度的に三つのタワーを攻略は出来ねぇ……攻略条件に『24時間のリミット』がついてある以上、体力の無駄遣いはできねぇ……ヨグがいなかったら、こんなこと考えなくていいんだけどなぁ……)


 と、カミノの対処に対して、面倒くささを感じていた時のことだった。

 それまで、センの命令どおり、背後で黙って見守っていた三至たちが、


「全てを照らす光、この上なく尊き師よ、気ままな斥侯行為はそこまでです」

「流石に見てられへんし、このままやったら、私たちがいる意味がないやん」

「面倒な削りの作業は、我々に任せてもらいたい、といつも言っておるのに」


 閃化した状態、完全な戦闘態勢、

 その上で、狩りの準備は既に整っている、

 という、万全な体勢で、

 三至天帝は、カミノ、キメラ、セイバーの前に立つ。


 そんな三至を尻目に、センさんは、


「ほんまに、人の命令を聞かん連中だなぁ、おい……組織の上下関係、機能してなさすぎだろ……最近、誰か、俺の命令を、ちゃんと遵守したやついる? たぶん、一人もいないよね? 俺、ほんとうに命の王か? 都合のいい時だけ祭り上げられて便利に使われて、都合が悪くなると、全員に無視される……最悪だな、俺の状況」


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