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36話 はい、もう好きにしてください。


 36話 はい、もう好きにしてください。


「とにかく! 今は、この謎のタワーをどうにかするのが先決! というわけで、三至は俺についてこい! ほかのメンバーは待機! いい加減、俺の命令を、ちょっとは聞け! トップの命令が、常にガン無視されるって、組織として、全然機能してなさすぎだろ! マジで、ほんと、ガチでちょっと、いい加減にしろ!」


 根性全開の根気強い説得を続けた結果、

 どうにか、話を前に進めることに成功したセンは、

 三至と共に、エレベーターへと乗り込んだ。


 ギュオンギュオンと奇怪な音が響いた――その直後、

 一気に、グンッっと、この場にいる全員の体にGがかかる。


 数秒で、上層部に到着。

 ゆっくりと扉が開いた。


「師よ。おさがりください。我々が先行いたします」


「はい、もう好きにしてください」


 先ほどの奮闘で、心折れかけているセンは、もう一々逆らわず、『本当に危なくなったら自分が前に出て盾をすればいい』の精神で、従順な奴隷となる。


 エレベーターから出て、周囲を見渡すと、

 奥に、上へと繋がっている階段が見えた。


 周囲警戒を続行しつつ、

 その階段に向かっていた三至と神の王。


 ちょうど、空間の真ん中ぐらいに辿り着いたところで、


 数メートル先の地面に、ジオメトリが浮かんだ。

 『そんなことだろうと思った』と、事前に心構えを済ませていたセンたちは、

 特に驚いた反応などみせず、『何が出てきても必ず殺してやる』という、

 野獣の目で、ジオメトリから出てくる誰かを待つ。


 敵が出てくる前に、ジオメトリに対して、先制攻撃をしかける案も浮かんではいたが、

 この『何もわかっていない状況』を打破するためにも、

 出てくる相手が、『事情を理解している知的生命体』であることに賭け、

 捕縛・拷問・情報収集してから殺した方がよいと判断。


「……ぷはぁ……」


 ジオメトリから出てきたのは中肉中背の男。

 二十歳過ぎぐらいの、モブっぽいツラ構え。


 そのモブ風味は、コキコキっと首をならしてから、

 センの方に視線を向けて、


「コスモゾーンのマナーにのっとって、名前を聞いてほしいんだけれど、いかが?」


 などと声をかけてきた。

 受け攻めいくつか考えたが、

 センは、


「――お名前は?」


 と、相手の提案に乗ることにした。

 悪手である可能性も否めないが、神の王として、最低限のマナーは守ろうとした。


 モブ風味の男は、ニっと微笑んでから、


「俺は、夢破れた者の成れの果て。生粋の敗北者。何者にもなれず、もがき、あがき、苦しみ、必死に虚無を彷徨い続けながらも、真理のカケラすらつかめなかった原初のピエロ。P型カミノ1号」


「……なかなかの自虐っぷり。あっぱれだ。褒めてつかわす」


 ファントムトークで場を散らしていくセン。

 そんなセンに、カミノは、


「さっそくだけれど、ルールを説明する。このタワーは、俺を倒したら攻略完了。簡単なファーストステージ。チュートリアルだと思ってもらえたらいい。タワーは全部で3本。残り2本は、『五聖』と『九華』と『神帝』しか入れないタワーと、『十席』と『神帝』しか入れないタワー。……この全部を攻略して、それぞれのタワーの最上階に設置されているコアを『一日』で『三つとも破壊』すれば、この3タワーは消滅する」



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