35話 覚えておけよ、カス、ごらぁ……許されるか否かは俺が決めるんだぁああ!
35話 覚えておけよ、カス、ごらぁ……許されるか否かは俺が決めるんだぁああ!
『報告・連絡・相談』という、いわゆるホウレンソウのメソッドをガン無視して、
勢いそのままの『ダイナミックお邪魔します』で中へと突入したセンは、
「さあ、どこからでもかかってこいや、カスどもぉお! 俺の世界を荒らす気満々のゴミが、生きて帰れると思うなよぉお! 言っておくが、逃げても無駄だぁ! 逃げるヤツは敵ぃい! 逃げないヤツは訓練された敵ぃいいいい! つまり、みなごろぉおおおし!!」
アドレナリンバキバキの猪突猛進モードで、
『内側から蹂躙しよう』と目を血走らせる。
しかし、タワーの内部は閑散としており、
中央に、エレベーターみたいなものがあるばかり。
「神の王が、わざわざ訪問してやってんだから、歓迎のセレモニーぐらい開くのが礼儀だろうがよぉ……ったく、マナーのなってねぇやつだ。大々的に開かれると鬱陶しいが、完全シカトはナメられているようで腹が立つ、という、俺の絶妙な感情論を忖度していけや、ボケどもがぁ」
などと、軽やかなファントムトークで場を乱しつつ、
センは、エレベーターに乗り込もうとした――が、
『ブーッ』という拒絶音がタワー内部に響き渡る。
その後、どこからか、
『このエレベーターを利用できるのは、三至天帝を従えた神帝だけです。神帝単独での使用は許されておりません』
などと、ナメくさった声がとどろく。
「……覚えておけよ、カス、ごらぁ……許されるか否かは俺が決めるんだぁああああああああ!」
そう叫びながら、
エレベーターに猛攻撃を仕掛けるが、
「はぁ、はぁ、はぁ……ちぃ、くそがぁ……こんだけやってノーダメとか……はしゃぎやがってぇ……」
強行突破は不可能である、
と強く理解できたセンは、
(……強制的なマルチプレイ……ウザすぎて、たまんねぇが……しかたねぇ)
覚悟を決め直し、
タワーの中から、テレパシーで、三至に連絡をいれる。
どうやら、ちょうど、そのタイミングで、閉鎖空間から抜け出したらしく、急いで、こっちに向かっているとのこと。
待っていると、事実、すぐに、タワーの中に、三至とカンツ、そして、PSRに五聖(閃朝日以外)に九華(十席以外)の面々も突入してくる。
「三至以外、いらんかったのに……まったく、ぞろぞろと……まあ、いい。さっそくだが、三至は俺と――」
と、建設的な話を進めようとするセンに、
「「「~~「「「単独行為は、厳に控えていただきたいぃいいい!」」」~~」」」
と、過保護からくる全力説教の大合唱。
セン的には面倒くさくて仕方がない一悶着を、
数分単位で繰り広げてから、
「とにかく! 今は、この謎のタワーをどうにかするのが先決! というわけで、三至は俺についてこい! ほかのメンバーは待機! いい加減、俺の命令を、ちょっとは聞け! トップの命令が、常にガン無視されるって、組織として、全然機能してなさすぎだろ! マジで、ほんと、ガチでちょっと、いい加減にしろ!」




