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28話 俺に脅威を抱かせたかったら、存在値100兆を100兆匹ぐらいつれてこい。そうすりゃ、3秒ぐらいは、しんどそうな顔をしてやるよ。


 28話 俺に脅威を抱かせたかったら、存在値100兆を100兆匹ぐらいつれてこい。そうすりゃ、3秒ぐらいは、しんどそうな顔をしてやるよ。


 ズゴゴゴゴゴゴっと、豪快な音をたてて、三本ほど『歪で巨大なタワー』が生えてきた。

 全長300メートル級。東京タワーよりちょっと小さいぐらいの塔。

 幸い、タワーが生えてきた場所は、荒野や砂漠などの、人がいない場所だったので、なんの被害も出ていないのだが、しかしそのタワーのてっぺんから、羽の生えたサソリみたいなモンスターが、うじゃうじゃと湧き出てきた。


 カドヒトは、即座に、プロパティアイで、敵の数値を見通していく。


「……存在値……『1000万』?! くそったれが……当たり前みたいに、現世で、神気を使いやがって……秩序崩壊どころの騒ぎじゃねぇぞ……」


 『神の力』は、現世では使えない。

 が、あの『羽が生えたサソリ』たちは、当たり前のように、神の気を放っている。


「存在値1000万クラスが……ザっと見たところ、500~600体ってところか……」


 オーラと魔力を高めつつ、

 センは、ボソボソと、


「現世レベルの視点だと、ぶっ飛んだ力と数だが……『俺に降りかかってきた絶望』という認識で現状を捉えると、存在値も数も微妙すぎてアクビも出ねぇ、と思ってしまうねぇ……くくっ」


 などと笑っているカドヒトの隣で、

 カンツが、


「迎撃に向かいます」


 と、戦闘態勢をとる。


 が、そんなカンツに、


「必要ない。あの程度なら俺一人で秒。ゼノリカは待機。『バグ』ってのは、基本、数でウザさをみせつけてくる害獣。あれで終わりではなく、あとから、もっと、山ほど出てくる可能性がある……俺一人では対処しきれない状態になった時のために体力を温存しておけ」


 そう言うと、

 『センエース』は、『カドヒトの擬態』を解いて、

 右手を虚空に向け、


「ヨグ……お前の力に慣れるためにも、ガンガン使っていくぞ……と同時に、経験値をシッカリと稼がせてもらう……世界を循環させるためのエネルギーをどうやって稼ごうかと悩んでいたところ。……その稼ぎのヒントになりそうなのが湧いて出てくれて、普通に嬉しいねぇ」


 そう言った直後、

 センの右手に、まがまがしい剣が出現する。

 見た目がイカついだけで、オーラと魔力は微妙な剣。

 まだまだ『レベル1』の状態といった感じ。


「俺に脅威を抱かせたかったら、存在値100兆を100兆匹ぐらいつれてこい。そうすりゃ、3秒ぐらいは、しんどそうな顔をしてやるよ」


 そう言いながら、センは、

 ヨグソードを横に薙いだ。


 センエースの強大な魔力と神気がうなりを上げて、激烈に炸裂しながら、

 バグの群れを、秒で蒸発させていく。


 そんなサクっとした雑な一手で、バグたちはチリとなった。

 その光景を見たカンツは、拍手をしながら、


「お見事でございます。さすがは陛下」


「安い世事はいらねぇ。この程度、今のお前らなら余裕だろう」


「余裕ではありませんね。『閃化』して、全力を賭さねば、あの数を対処するのは不可能です」



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