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6話 ゼノリカの自制心。


 6話 ゼノリカの自制心。


 ――センが目覚めたという速報は、文字通り『秒の勢い』で、ゼノリカの天上を駆け巡った。

 その速報が駆け巡るまで、みな、『表面上』は『神は大丈夫だから心配ない』というスタンスでいたが、しかし、実際のところは、もちろん、不安で気が狂いそうだった。

 センエースを正しく知る者は、センエースなしでは生きられない。

 酒やギャンブルや薬なんかよりも、よっぽど依存性の高いよりどころ。

 それが、センエース。

 なんと罪深い神であることか――なんて、みんな、心の中で、毒づいたりもして。


 ――とにもかくにも、センが目覚めた吉報を、ゼノリカの面々は、たいそう喜んだ。

 中には、感極まって失神する者もいた。

 膝から崩れ落ちて涙を流す者が大半で、

 センエースを知らない周囲の者は、その異様な光景にドン引いていた。


 ゼノリカの神族たちは、『センの顔を一目みたい』という衝動にかられたものの、

 しかし、相手の立場が、『アワ吹いて倒れそうになるほど圧倒的に格上である』という事実があるため、

 その欲望を前に出すことは流石に出来なかった。


 ゼノリカ内部での上下関係は、一番尖っていた時代のPL○園を置き去りにするレベルであり、本来であれば、ゼノリカの天下に属する上位者でも、三至や五聖や九華の顔を見ることすら、滅多に叶わず、九華の面々であっても、五聖以上の顔を見ることは難しい状態。


 そんな鬼上下関係を徹底しているゼノリカにおいて、ぶっちぎりのウルトラスーパーアルティメットハイエンドであるセンの顔を拝謁するのは、相当に難易度が高く、エゲつないほど恐れ多いものである、

 ――という根底の理解があるため、

 みな、一度、歓喜に沸いたあとは、

 また、黙々と、自分の仕事を再開した。


 正しくセンエースを知ったことで、

 ゼノリカの面々は、

 『センエースがいかに高みにあるか』を正式に理解した。

 その結果、『自分ごときが顔を見たいなどと、おこがましい』と思うようになったのである。

 ゼノリカ内での『センエース』の地位は、かつての『センエースを信じている者が少ない』という段階から、もちろん、極限マックスであったわけだが、現状の『センエースに対する正しい理解』に届いたことで、天元突破のさらにその向こうに到ってしまった。

 センエースに対する忠誠心と信仰度は、日に日に加速していく。

 このままだと、いったい、今後、どうなってしまうのか、と普通に不安になるレベルの狂信。



 ★



 ――数日間に及ぶ『ゼノリカ上層部の不在』で生じていた、いくつかの不備も、

 覚醒した上層部が全力であたったため、音速で整地されていった。


 そもそも、仮に上司がいなくとも、数日や数か月程度なら、配下の面々だけでも、どうとでもなる――というレベルにまでは、全体が徹底的に鍛えられているため、そこまで大きな不備もなかった。

 沙良想衆と愚連がいれば、世界は余裕で回る。

 なんせ、沙良想衆と愚連は、『優秀なトップ世界(第二アルファ~第九アルファ)』の中でも最高峰の才能を持つ者たちの集まりだから。


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