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3話 誰よりも辛い道を、ずっと、ずっと。


 3話 誰よりも辛い道を、ずっと、ずっと。


 第二~第九アルファは、今のところ、問題なさそうだが、

 しかし、『本質の部分』に『大きな問題を抱えているだろう』ということが分かった。

 ヨグの記憶に触れたことで、『センは世界を支える』ということの意味を知った。

 世界の創造と運営は別問題。


 センも神として世界を大量に創ってきたが、『世界を支える』というのは、創作サイドではなく、運営サイドの話。

 『世界創造』という行為を『なろうでの作家業』に例えた場合、『小説を投稿するユーザー』ということになるのだが、

 『世界を支える』というのは、『サイトの運営』……集客であったり、メンテであったり、サーバーの管理だったりの話になる。


 センは、創造に対しては、それなりに経験値を有しているが、

 『運営』に関しては、ズブの素人状態。

 ここから、勉強と実践を繰り返していかなければいけない。


 ――『うまいこと循環が出来ていない』ってのは、ようするにはエネルギー不足が原因だろ?

 ――じゃあ、覚醒させてやるよ。管理者の腹が減らない世界に。わざわざ、戦争や疫病や飢餓なんかのマイナス要素がなくとも循環できる『イカれた永久機関』を持つ世界に。


 『宣言してしまった以上、その職務を全うしなければいけない』と考えてしまう謎の責任感の強さも、センエースの特徴の一つ。


 『無駄に質量が多い真摯さ』と、『持ち前の責任感の強さ』と、『課題のイカれた重量』が、センの『違和感』を丁寧に殺していく。


 もはや、今のセンにとって、『ちょっとした違和感』などなんの意味もない。

 センは、

 どうやったら、世界を完全な形にすることができるだろうか、

 と、そのことだけに没頭する修羅となる。


 ――と、そこで、


「セン、起きたんやな」


 ミシャが部屋に入ってきて、


「体に違和感とかない? あんた、これまで、ずっと、無茶をし続けとるから……どこか、少しでも変なところがあったら、絶対に言うてや」


「お、おう」


 アダムと同じように、センの腕をとって密着してくるミシャ。

 ここでまた、違和感が復活。


(あれ? ミシャって……関西弁だったっけ……? ……いや……あ、そうか……そうだな……え、逆に、なんで、ミシャの口調を疑問に思った? ……なんか、ちょっと、変だな俺……今日は、脳のバグが多いぞ……ミシャは関西弁だろ、ずっと……)


 違和感と、その払拭が、頭の中で乱れ咲く。

 そんな複雑な状況にいるセンに、

 ミシャは、


「ようやく一息つくことができたなぁ。いままで、ずっと、ジェットコースターみたいな感じやったから……ここで、改めてお礼を言わせてな。ずっと、ずっと、ありがとう、セン」


 一ミリも嘘のない想いをぶつけられるセン。


「誰よりも辛い道を、誰よりも苦しみながら……ずっと、ずっと、ずっと、けど、折れることなく、前を向き続けてくれた……そのおかげで、私は、あんたの側におれる……ありがとう……ホンマに、ありがとう」


 それは、ただの言葉ではない。

 数万年、数百万年、

 あるいは、数百億、数百兆年分の想い。



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