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19話 起承転結の転は永遠に続く。


 19話 起承転結の転は永遠に続く。


「お前と殺し合い続けた時間の中で、俺も、自分にできることを必死に模索してきた。無限にリトライコンテニューをかましてくる『クソイカレゾンビ』相手に勝つ方法を必死になって考えた。俺はゲームの敵キャラじゃないんでね。お前が俺を殺せるようになるまで、黙って待ってやったりしねぇ。……必死になって、毎回、毎回、ちょっとずつ、ちょっとずつ、積み重ねてきて……ようやく、今日に辿り着いた……ここで、お前を、この世界から除外する」


「……除外……ねぇ。殺すじゃなくて?」


 状況が理解できてきたセンは、

 疑問符を口にするという時間稼ぎをしつつ、

 『どうするべきか』を必死になって考える。


 さすがに、この状況で、『思考ゼロの脳筋』はかませない。


 そんなセンの視線の先で、カミノは、


「最初にハッキリと言っておくが、カミノごときじゃ、『センエース』は殺せない。お前を殺せるだけの器は、俺にはない……だからこそ、これだけ時間がかかった。俺がやっていたのは、世界の再構築。お前に、お前の世界を返してやるよ」


「……ぁ?」


「ソルに選ばれた原初の調律者――『紙野創蔵』の力をフル投入して、『真・神帝ヌル』に奪われた世界を再構築した。それも、お前が望む形に調整した上で」


「……」


「俺はお前の敵じゃない。敵という形になれば負けるから、そうではない形で、お前を排除すると決めた。『暗殺一家で虐待を受ける無能なガキ』という最悪の底辺で生まれ変わる前の『記憶』も全部返してやるよ。世界も記憶も、全部取り戻させてやる。……原初の創造主である俺によって、ちゃんと再構築された『正当なる理想の世界』で、幸せに生きていればいい」


「……」


「お前は、ウムルやヨグという、凶悪なアウターゴッドを、はじから皆殺しにして、究極の領域に辿り着いた修羅。ウムルとの闘いで、お前は、自身の配下組織である『ゼノリカ』に命を注ぎ、そして、注ぎ返されたことで、絶対的精神的支柱の真の効果――の一部を発現させることに成功した。ヨグとの闘いで、完全勝利を果たし、最強の武器ヨグソードを手に入れ、王として完成した。――ヌルに邪魔されなかったら、お前は、最強かつ最高の王として、キレッキレに成長した最強の配下たちに囲まれて幸せなゴールにたどり着くはずだった。……その幸せなゴールを……お前に返す。俺はお前の敵じゃない。お前にとって最強の『あしながおじさん』だ」


 そう言うと、カミノは、天に両手を掲げて、


「じゃあな、センエース。お前の顔は二度と見たくない」


 最後に、そう言い捨ててから、


「上エックス、下ビー、エルワイ、アールエー、モキュモキュ、フルモッキュ、P99991002」


 デバッグコマンドを入力して、



「 ――[[ 《・『神のまにまに』・》 ]]―― 」



 その瞬間、

 センエースの視界から色が消えた。

 線だけになった世界で、

 センは、


(……あれは……コスモゾーン……か……?)


 何かを感じ取った。

 カミノに引きずられているのを感じながら、

 その裏で、センは、『大いなる力の波動』が、その身に触れているのを感じた。



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