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17話 どう見てもキチ○イです。本当にありがとうございました。


 17話 どう見てもキチ○イです。本当にありがとうございました。


 センは止まらない。また足元のボタンを押す。

 次に登場したのは存在値3200のソウルリッチ。不死種の上級モンスター。

 不死種の低級は、弱点だらけの雑魚なのだが、不死種の上級からは、とにかく、知性が高く、動きも素早く、デバフが大の得意という、戦士職からすれば『最悪の仕上がり』になってくる。


 とにかく、頭がいい個体が多いので、いくら対策をしても、それを上回る策で対抗してきやがる。

 厄介な特殊スペシャルを複数有していることも多く、基本的に、弱点も少ない。


 『なんでもあり』のルールで『ガチンコの殺し合い』をした場合、圧倒的なパワーを誇る龍や鬼などの上級種でも、『知性が低い個体』だと、完封で殺されることがある。


 つまりは、『脳筋』が、もっとも苦手とする相手ということ。

 しかし、逆に言えば、こういう『脳筋キラー』みたいな天敵モンスターに完勝できるようになれば、『脳筋前陣速攻』が、『弱点のない完璧なビルド』として完成するということ。


 脳筋速攻は、バカみたいだが、しかし、汎用性の高さは、事実ピカイチ。

 『事実上の最強』を目指す上では避けて通れない道。


 それを理解しているセンは、あえて、作戦を練ることなく、ソウルリッチに愚直な特攻を決め込む。


 地獄天7のカスタムを受けたソウルリッチは、

 とにかく、デバフ関連の性能がエゲつなかった。

 パワーやスピードを抑え込み、

 『生存力』と『状態異常抵抗力貫通』にブッパした、まさに地獄のようなビルド。


 神経麻痺、急速老化、大火傷、猛毒、腐敗、凍傷、混乱、暗闇……

 山ほどのデバフをバラまいてくるソウルリッチに対し、

 センは、


「うりりりりりぃいいいい!」


 麻痺と毒と混乱で、若干おかしくなりながらも、

 無策の突貫を貫き、ソウルリッチの顔面に、


「――閃拳ぃいいれれれれっ!」


 とびっきりの拳を叩き込む。


 グチャリと砕けちるソウルリッチの顔面。

 アンデッドの中核ごと砕いたので、暴力の余波が一気に広がり、まるで、『落としたガラス細工』みたいに、パリィンと、全身が綺麗にコナゴナになった。



「はぁ……はぁ……ふぅうう……」



 前陣速攻を徹底するために、『自動回復』系にも、それなりに振っている。

 だから、精神集中して、回復に専念すれば、ほんの数秒で、ぶちこまれたデバフが、あらかた回復した。


 『継戦能力』は脳筋のたしなみ。

 『攻撃力を底上げするだけ』では、搦め手の徹底で完封される。

 脳筋は脳筋でも『闘い続けることができる脳筋』でなければいけない。


 この辺の『ビルドのバランス』に関しても、1000億年の中で、徹底的に研究をしつくしてきた。


「よし、OK……次、いくか」


 まだ、ほんのりマヒが残っているが、

 しかし、完全回復など待っていたら日が暮れる――と、

 センは、『次』の闘いへと身を投じる。


 良い言い方をすればストイック。

 悪く言えば完全なキ〇ガイ。


 センは、繰り返した。

 死闘を。

 命を賭けた地獄を。

 徹底的に、何度も、何度も、何度も。

 これまでの積み重ねてをブン回して、『苛烈な今』と、真摯に向き合う。

 そうやって生きてきて、

 これからも、そうやって生きていく。


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