14話 秘密の部屋のモンスターハウス。
14話 秘密の部屋のモンスターハウス。
『地獄天8のアンロックにかかるタイムリープボーナスは、7200兆』
「……あれ、7000じゃなかったっけ? ……しくった……たりねぇ……アンロック分を確認してから、ステに振ればよかった……ちっ……あー、まあ、いいや。どうせ、ここから、『稼ぎ』の『無限周回』に入るし。アンロックは、次回のタイムリープ時でいい。どうせ、時間は無限にあるし」
と、ブツブツとつぶやいてから、
「――難易度は『地獄天7』で頼む」
『了解。地獄天7に調整完了』
「……新記録、狙えるかなぁ……いや、前回の記録が、かなりハイスコアだったから、さすがに無理かなぁ」
などと言いつつ、
センは、部屋の真ん中にあるボタンを足で踏む。
すると、目の前に、魔方陣が出現して、
そこから、スライムが出現した。
「ピギーッ!」
知性がないタイプのスライム。
『性能が低いから知性がない』というわけではない。
そのほかのスペックに極振りしているだけの話。
耐久力メインで底上げされたスライムで、
存在値で言うと、600以上ある。
存在値600とは思えないほどの高耐久が自慢のスライムで、
『専用マシンゴーレムを駆るセイラ(存在値700オーバー)』でも、
このスライムを殺しきるのには年単位がかかるほど。
そのスライムを、
「ほい……と」
秒でワンパンするセン。
『普通のレベル1』かつ『EX-GODレベル1』の状態でも、
この程度のスライムぐらいなら、軽めの一撃で粉砕できるようになった。
それが、1000億年の積み重ね。
1000億年間、ずっと、
この『秘密の部屋のモンスターハウス』で訓練し続けた結果。
存在値600のスライムを倒したことで、
センのEX-GODレベルが、
一気に『732』にまで上昇した。
『敵の強さがハンパじゃないため経験値が高い』ということに加え、
『EX-GODレベルの取得経験値』に対するボーナスを振っていることに加え、
もともとの『経験値12000倍』のチートが適用されていることが主な理由で、
センのEX-GODレベルの上昇率は、なかなかエグいことになっている。
獲得した『723』のポイントを、センは、すぐさま、
自分の火力に割り振っていく。
長年、研究し続けた結果、『自分に最も適合したビルド』が見えてきた。
基本的には『前陣速攻の物理火力特化』でいく。
近接崩し特化のコンボ始動技『閃拳』を中心としたグリムアーツによるゴリ押し。
その、あまりにも脳筋すぎるストロングスタイルを、とにかく徹底して追及いていく、という覚悟を決めたのが数百億年前。
それまでは、無数の魔法を使ったテクニカルなビルドを試してみたり、
条件付けで相手のオーラを抑え込んで闘うハメビルドを試してみたり、
大量の魔カードや武器を自由自在に操る中距離ビルドを試してみたり、
装備品でガチガチに固めてデバフでけずる耐久ビルドを試してみたり、
地雷パリィを中心とした受け重視のカウンタービルドを試してみたり、
カスタムしまくった召喚獣を大量に湧かす召喚ビルドを試してみたり、
極端な限定条件必須の一撃必殺に賭けたロマンビルドを試してみたり、
――色々と、自分の可能性を模索していた時期もあったけれど、
結局のところ、シックリきたのは『前陣速攻』だった。
とにかく、汎用性の高いスタイル。
高火力を、近距離で、延々に叩き込む。




