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7話 『元主人公(幾億のシードから選ばれた、たった一人)』の高み。


 7話 『元主人公(幾億のシードから選ばれた、たった一人)』の高み。



「……すこしだけ……思い出した……」



 『えぐるような不快感』が霧散して、

 その後に残ったのは、かつての記憶。

 すべてをおもいだすことは難しいが、

 心に刻み込まれた命は中々消えない。



「俺も……セイバーやテンドーやキメラやセイラやオメガと同じ……全てを奪われた敗北者……全部を奪われたままじゃイヤだから……どうにかして、奪い取ろうと必死に抗ったけれど……あまりに、俺自身の質が低すぎて、どうしようもなかった…………そんな、ハンパな器……」


 ぼそぼそと、想いをつぶやいているカミノを尻目に、

 センは思う。


(カミノは、創世神化状態になれば、『圧倒的元主人公補正』による『無敵』が解除される……ここからが本番……殺してやる……絶対に殺す……)


 そんなことを考えている閃光の向こうで、

 カミノは、ボソボソと、


「けれど、ヌルなら……真・神帝なら……変えられるかもしれない……なんせ、あいつは……『ソル』を奪い取った器……唯一、『勝利』に辿り着いた獣……ヌルが、本当の究極超神化8に届けば……世界は……たぶん、変わる……」


 そこで、カミノは、天を仰いで、


「大量の『強大な絶望エネルギー』を回収し、俺の創世神化もオプションに組み込めば……ヌルは、きっと、8に届く……8に届いたヌルは、きっと、俺達の……元主人公全員の悲願を、叶えてくれる……」


 などと供述しているカミノに対し、

 センは、


「かもなぁ!」


 と、投げやりな言葉を叫んでから、


「もしかしたら、そうかもねぇ! そうだったらいいねぇ! そうなったら素敵だねぇ!」


 と、ありったけの感情を込めて、

 楽観的なセリフを喚き散らし、


「全部、気ままに、ぶっ壊してぇ! その先に、新しい未来がまっている! いいねぇ! 別に、絶対にないとは言わねぇよ! 真・神帝が、世界を完全なものにする未来! いいねぇ! ありがたい話だ! めんどうごとを、全部背負ってくれるなんて、大した男だよ、真・神帝は!」


 そこで、センは目線に込めた力の色を変えて、


「けどよぉ!」


 と、反転させるための接続詞を叫び、


「そうじゃなかったら、全部、灰と廃墟になって終わりだぜぇ! そうならねぇ可能性もあるけどよぉ! そっちの可能性の方が、ぶっちゃけ、高ぇと、俺は思ってんだわぁああ! 根拠は勘だぁああ! それ以上でもそれ以下でもねぇ! けどなぁ! 俺の『悪い予感』だけは、エグいほど頻繁にあたんだわぁ! 外れたことも、もちろん、あっから、確定要素ではねぇけどよぉ! 今回の悪い予感は、あたっている気がしてなんねぇんだわぁああ!」


 全力の巻き舌で、己の不安を叫んでから、

 精神を整えて、



「――だから、てめぇを殺す。真・神帝も殺す。不安で仕方ねぇからっつぅ、バカみたいな理由で……ヤバそうな汚物を消毒させてもらう。文句は言わさねぇ。言ってもいいけど、聞く気はねぇ」



 ファントムトークを炸裂させて、

 センは、さらなる速度を求めて加速した。



 『閃光神化』VS『創世神化』



 とんでもないスペックを誇る固有神化同士のぶつかり合い。





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