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6話 創世のキチ○イ。


 6話 創世のキチ○イ。


 深く、深く、集中していく。自分にできる全部と向き合う。

 その結果、


(……あった……っ)


 複雑で、奇怪な道筋。しかし、間違いなく『勝ち筋』だと断定できる巨大迷路。


(この迷路の最難関は序盤。『俺が、センエースに勝つ』という超難題……おそろしく難易度の高い無謀……だが、それを、俺は、これまで、1000億年間、続けてきた……1000億年間、勝ち続けた相手に勝つだけ……それだけの話……っ)


 『難題』を『簡単なお仕事』とみなしていく作業。

 これにも、それなりの意味がある。

 立ち向かう気概――その重さ。

 登山するとき、背負う荷物が無駄に重くなるか、軽くなるか。

 その違い。



 勝ち筋に寄り添うと決めたカミノ。

 そんなカミノの視線の先で、

 舞い散る閃光センエースは、


「カミノぉお! てめぇが『ここから壊れていく』ことを、俺は知っている!」


 暴露のアリア・ギアスで可能性をコーティングしていく。

 積めるものは全て積んでいく構え。


「てめぇの『元主人公としての能力』は、現在、大幅に軽減されているが、しかし、『圧倒的元主人公補正』っつぅ、隠しスペシャルだけは十全に働いている!」


 カミノですら知らなかった、カミノのポテンシャルについて叫ぶ。


「――『圧倒的元主人公補正』を、一言で言えば、お前は、『完全なアンリミテッド状態に戻るまでは、どうあがいても死なない』っつぅふざけたチート! 俺は、この1000億年の間に、ありとあらゆる方法を使って、お前が、覚醒する前に殺そうとしてきた! けど、不可能! もしかしたら、とびっきりの裏技があるのかもしれねぇが、1000億年も探して、見つからなかったんだから、仮に、存在していたとしても、相当に難易度が高いんだろう。俺は、その手の『推理もの』や『宝探し』ってやつには向いてねぇ!」


 なんにでも向き不向きはある。

 サメは海中だと最強だが、空中では落下することしかできない。

 タカは空中だと最強だが、海中だとおぼれることしかできない。


 センエースは、時間をかけて『武の下地を広げていくこと』は得意だが、

 『相手の複雑な弱点を推理して、その虚をつく』という搦め手は不得手。


「俺は脳筋の流儀にすがるしか能がないおバカさんだ! けど、だからこそ届いた世界もある! それを見せてやるよ!」


 そう叫びながら、

 センは、


「逆気閃拳!!」


 ありえないほどの時間をかけて磨き上げた拳を、

 カミノの中心に向かって叩き込む。


「ぺげへぇえええええっ!!!」


 信じられないほどの暴力だった。

 ハンパじゃない衝撃。

 しかし、ダメージはとても少ない。

 体はどこも欠損していない。

 ただ、全身を覆っている魔力やオーラが逆流していくのを感じる。


 車や船で酔った時の何倍もの不快感で脳と視界がグルグルとまわる。


「うぶうぉへっ!」


 盛大にゲロを吐く。

 脳みそにスピリタスをぶっかけられたような、

 燃えるような、ヘドがあふれる胸糞悪さに支配される。


 その果てに、


「……あ……ぁあ……」


 ドクンドクンと、心臓が警告アラームを鳴り響かせる。

 何かが変わろうとしている。


 カミノの『中』に眠っているものを、

 強制的にたたき起こす。

 どうやら、『そいつ』は、非常に寝起きが悪いらしく、

 カミノは、『二日酔いが二度見する不愉快さ』の中で、

 もがき、あがき、叫び、苦しむ。



「うぃいいいいい!」



 頭痛、胸やけ、胃痛、吐き気。

 それらの人生史上マックスが同時に襲い掛かってくる恐怖と辛苦。


 それらが、カミノの中心をぐちゃぐちゃにかき乱して、

 そして、


「――創世神化――」


 ボソっと、

 そうつぶやいた直後のこと。


 カミノの全てが、膨大に膨れ上がっていった。



「ぁ……ああ……」



 抑え込んでいた全てが解放されていく。

 顕現した神気は、驚くほど静かで、

 究極超神化とも、閃光神化とも違う、

 カミノだけの『固有神化』。




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